single story
□world's nook
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暗い夜、ベッドに潜ってシーツをかぶればさらに夜は深くなる
小さく息を吐いて、眼を開けてみるが何も見えなかった
寝てしまいたいのだが、眠気は全くこない
(…彼がいないから…かな)
冷たいシーツに心から身を委ねられなくなったのは、また人の温もりを知ってしまったからだろう
(まいったな…)
こんなに誰かが、というか彼が大切な存在になるなんて思ってもなかった
そしてその彼は、3日前から任務に出ていて留守だ
つまり、僕は3日間あまり寝れていない
(こんなんじゃ体がもたないよ…)
いつ任務が入ってもいいように万全の準備をしとかないといけないのに
(コムイさんに怒られる…)
寝よう寝ようとする時に限って寝れないのだ
頭の中には彼のことばかりで
声に出さず、唇だけで彼の名前を呟いてみた
あぁ、だめだ
もっと会いたくなる、我慢できなくなる、泣いてしまう
衝動にも似たこの気持ちを抑え込むために、僕はベッドの上で膝を抱えて丸まった