single story
□a lingering scent
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「あら、アレンくん」
食堂でお昼ご飯を食べていたら声をかけられた
「リナリー!ラビ!」
声をかけてきたリナリーとその傍にはラビもいた
「よっ、アレン」
「お昼ご飯ですか?」
「それもあるけど…」
リナリーはそういいかけてラビをみた
僕は首を傾げながらも最後の一口残ったグラタンを食べた
「アレン、ちょっと失礼な」
「はい?」
言うとラビは僕の右肩辺りに近付きくんくんとにおった
「ラビ?」
それから後ろに周り背中からまた左肩にかけて一通りにおわれた
「リナリーの言う通りさー」
「やっぱり?」
「あの…」
話がまったく見えない
別に香水なんてつけてないし、昨夜お風呂もはいった
「何がリナリーの言う通りなんですか?」
「あのね、私最近ずっと思ってたんだけど」
「はい」
「ふとアレンくんから今まで違う匂いがしたの」
リナリーはどこか楽しそうに話をする
「で、よく考えてみたらわかったの」
「…なんですか?」
リナリーはにっこりと笑って
「あ、神田の匂いだ、って」
「っっっ!?/////」
か、神田!?
「な、なんっ…あ、ぇ、う…?/////」
「いやなんていってんのかわかんねぇさ」
だって!!
まさか神田の名前が出てくるなんて思いもしなかったから驚いて!!
しかも、僕から神田の匂いがするってどういうこと!?
「だから、二人でいるときはずっとくっついてたりするのかなーって♪」
かあああっとさらに顔が熱くなるのがわかった
きっと、みんなは知らない
あぁみえて結構甘えん坊な神田とか、ちょっと相手にしなかったらすぐ拗ねちゃう神田とか、ラビにも嫉妬しちゃう神田とか、優しく笑う神田とか
つまり、リナリーの言うことは間違いでもない
すきあらば神田は僕に触れてくる
手とか髪とか顔とか、後ろから抱きついてきたりとか
神田といるときはいつもどこかくっついているといっても過言ではないだろう
「否定しないってことは当たりかしら?」
「っへ…いや、ちが、違いますっ」
「何が違うんだ?」
不意に聞こえた声は聞き間違えるはずのない彼のもので
僕は大袈裟なほど体をびくっとさせた
「あ、か、神田…」
「なんだ、お前。顔赤いぞ」
素早く僕に近付き、僕のほっぺを優しく触る
「あっ、い、さ…触らないでくださいぃぃっっ!!/////」
僕は脱兎の如くその場から逃げた