single story

□a happy new year
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「神田っ、神田っ!」

今日は12月31日

もうすぐ年がかわるという10分程前

任務もなく2人で俺の部屋でくつろいでいると、ベッドで寝転んでいたモヤシががばっと起きて名前を呼ばれた

「なんだよ?」

尻尾があればおそらくぱたぱたと降っているんだろう犬みたいなモヤシを内心可愛いと思いながら頭を撫でて聞いてみた

「今日って、日本では『おおみそか』っていうんでしょう?」

ベッドの端に座っていた俺の左ももに手をおいて上目遣いで聞いてきた

「そうだが…、兎にでも聞いたのか?」

「いえ、リナリーからです!」

あの女か…

まぁイベント事がすきな彼女ならあり得ることだろう

「で、大晦日がどうした?」

「それで、ぇと…お蕎麦食べるんですよね!」

「あぁ…年越し蕎麦のことか」

「と、しこし?」

舌ったらずに繰り返すモヤシにゆっくりと喋ってやるとさきほどよりは上手く言えた

「年を越すときに食べる蕎麦のことだ」

「食べないんですか!?」

きらきら、とでもいうように目を輝かせながらそういってきた

「年越し蕎麦っていっても普段のとかわらねぇぞ?」

「気分の問題でしょ!」

つまりだから食べにいこうということか

今食堂ではパーティーが開かれている

最初は参加したが(嫌々)、やっとのことで2人抜け出してきたのに今さらなぜあの騒がしい場所へ戻らないといけないのか

「神田??」

まぁ一番は、

「いいのか?」

「??」

きょとんとするモヤシの顔を除きながら俺はいった

「俺と2人きりで年越せないぞ?」

「っ」

せっかく休みが重なった年末

それを他の誰かに邪魔されてたまるか

「どうなんだよ?」

モヤシはしばらく俯き、小さく何かをいった

「ん?」

「…神田と、2人がいいです」

顔を赤くしながら確かにそう言ったモヤシに俺の機嫌は明らかによくなった

「当たり前だろ」

恥ずかしいのかモヤシは俺の腰に抱き着いてきた

もうそろそろ新しい年が始まるな

「モヤシ」

まだ赤い顔をあげたモヤシに新年最初のキスをした



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