再来今世
□二章 新たな敵、先の世から来た女
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翠炎「娘さん、大丈夫ですか?」
「は、はい.....」
翠炎「では、娘さん。貴女がいるこの場所、ここがどの様な場所かわかりますか?」
翠炎が女に優しく問いかけた。
女も翠炎に心を開いたのか静かに話し始めた
「この場所...泉?そうだ、謙信様の泉」
翠炎「けんしんさまの泉、とは?確かに泉はありますが..」
「ええと、この泉も祠も私、知っているんです。
でも私が知っている場所とは様子が違う気がして」
暁月「適当なこと言って誤魔化そうとしてんじゃねぇだろうな」
「ち、違うってば」
上杉「なるほど」
暁月「政虎様」
「そこの娘」
何を考えていたのかいきなり話しかけられた女は、ビックッと驚いてから政虎様の方を見た
「あ、はい!」
上杉「そなたが現れた為に、奴に隙ができた。どうやら命を救われたな。礼を言うぞ」
「は、はぁ」
上杉「見た処、十五、六歳か。異風の服、尼のような髪、見た事も無い装束。何より...驚くべき裾の短さだな」
「あの///これ、うちの高校の制服なんですけど」
顔を赤らめながら話した
上杉「こうこう、せいふくだと?わからぬ言葉ばかりだな、答えよ、娘。そなた、何者だ?」
真奈「あ、私、多聞春日山高校弓道部一年、白羽真奈です」
上杉「多聞、春日山?ようやく聞き覚えのある言葉が出てきてな」
・・・・・・・・・・・・・・
それから白羽真奈という女が自分はどこから来たのか何故ここに来たのかを話した
上杉「ほう、つまり、そなたは先の世から来たと申すか」
真奈「はい・・あの!私帰ることができるのでしょうか?」
真奈は、涙をこらえながら御屋形様に問いかけた
上杉「わからんのう。こんなことは今まで一度もなかったしのう。
とにかく今日のところはわしらのいる屋敷に来い。疲れたであろう」
そう言い残し御屋形様と軒猿、白羽真奈は小島様のお屋敷に帰るのであった