再来今世

□二章 新たな敵、先の世から来た女
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翠炎「御屋形様、ご無事ですか!?」


翠炎が声をあげて叫んだ。


暁月「....おい、そこの怪しい奴!御屋形様から離れろ!」


ドンッ


「っ.......!」(--これって、夢?でも、痛い。なら夢ではないってこと?一体、あの後に何が起きたの.....!?)


上杉「暁月、乱暴するな。その娘、命の恩人やも知れぬ」


暁月「しかし.....!」


翠炎「落ち着いて下さい、暁月」


暁月「.....」


秋夜「御屋形様、お怪我は!?」


いままで陰にいた秋夜が出てきた。


上杉「大事ない。 それよりも、あの娘を」


グイッ 


「わっ.......!?」


暁月「いい加減立ち上がれ!.....お前、何者だ」


暁月がその女の手を乱暴に引っ張った。
しかしその女も負けんとばかりにキッと睨み返し少し戸惑いながら大声で叫んだ


「あ、あなたこそ、何?そんな時代劇みたいな格好で.....」


秋夜「時代、げき?」


暁月「相手にするな、秋。
ここが春日山城の麓だと知らずに入った訳じゃないだろう。何が目的で入った?」


「春日山城?」


その女は首をかしげながらやっと知っている名が出たと言わんばかりに目を輝かせた


すると何かに気づいたように暁月に掴みかかった


暁月「おい、どうした?」


「あ、あなた!  あなた、もしかして....あかつき、って名前?」


暁月「! 何故、俺の名を....」


カチャッ  暁月が腰にかけていた忍び刀を取り、女に向けた


暁月「もう一度言う。答えろ...お前、何者だ」


怯えた女の服の裾から何か怪しいものが出てきた


翠炎「暁月、抑えて。害ある者には見えません」


翠炎が戸惑い怒り狂っている暁月を抑えた


暁月「どうだか...っておい、なにやって!」


「け、圏外!?嘘、なんで!?」


暁月「おい、何やっている!」


バッ
暁月はその女の手にあった怪しいものをいきなり取り上げた


暁月「見たことない材質だな。武器か?それにしては/バシッ


「返してよ!」


女は暁月の手からその怪しいものを取り返した


暁月「ってぇな!暴れんなー/「返してってば!」


暁月「離せ!/--!痛......っ!」


上杉「--落ち着け、暁月。乱暴はするなと言ったはずだぞ聞けぬのか?」


今まで黙っていた御屋形様が口をはさみ、暁月と女の間に割って入った


暁月「!! 申し訳ございません!」


翠炎「娘さんも、落ち着いてください」


秋夜「これを飲むといい」


そう言って秋夜は女に竹筒を差し出した


「これは.....?」


翠炎「水です。落ち着きますよ」


「お水?
ありがとうございます」


暁月「あっさり飲みやがったか」


秋夜「警戒心は無いな」


翠炎「やはり、間者などではなさそうですね」


しばらく暁月たちは女が水を飲む様子を眺めているのだった...
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