…薄桜鬼短編…
□*小話10*どこまでが兄貴?*
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この時代にきて
少しずつ皆に慣れてきた頃の話。
━━縁側にて━━━
中庭で素振りをする斎藤さんと永倉さんを見つつ、私は洗濯物を取り込み、畳む作業に取りかかる。
隣では沖田さんがお茶を飲んでいた。
「沖田さんはみんなと一緒にやらないんですか?」
「うん。
朝もやったからね」
………絶対
沖田さんは性格が悪い。
初めて会った時すでに喧嘩するようなこんな関係だ。
たまに気持ち悪い位優しい時もあるけど。
「そうですか。
てか、なんであたしの隣でお茶飲んでるんですか」
「いつでもおかわり頼めるじゃない?」
「‥性格悪っ」
「キミ程じゃないよ」
「あっはっはっはっは‥」
「「近藤さん!」」
広間の方から近藤さんが歩いてきた。
「総司とれいらさんは仲の良い兄弟みたいだな!」
「「えぇ!?」」
「ほら、息もぴったりだ!」
「近藤さんってば冗談やめて下さいよ〜?
妹にするなら、もっとかわいくて素直なコがいいですから」
カッチーン。
「あたしだって!
もっと素敵な優しいお兄ちゃんがいいですから!!」
傍でギャンギャンしてるのがうるさかったのか、斎藤さんと永倉さんが稽古をやめて戻ってきた。
「局長、お疲れ様です」
「お!近藤さん!何の話してんだ?!」
「おぉ、こんな時間にも稽古とは関心関心!
いや、今総司とれいらさんのやり取りを見てたらな、兄弟のようだと思ってな。」
「なっにーぃ!?
れいらちゃんの兄貴は俺だよ!お・れ!」
「……俺でも良いが」
「一君が!?
あー‥はいはい、こんな性格が悪い妹ならあげますよー」
「あたしだって沖田さんより永倉さんと斎藤さんがお兄ちゃんの方がいいですから!!
しかもあげるって…沖田さんはあたしの親ですか!?」
斎藤は「お兄ちゃん」という言葉に萌え〜と感じていた!
バチバチ火花が散る一方、バックにはどす黒いオーラが二人を包む。
(((これは‥兄弟喧嘩を通り越してる!!)))
三人は思った。
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