…薄桜鬼長編…
□*トリップした先には.4*元治元年
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元治元年五月。
歴史的大舞台まであと少し。
文久四年二月二十日、讖緯説に基づく甲子革令の年に当たるため改元し、元号は元治となった、と政(まつりごと)に詳しい永倉さんが教えてくれた。
元号、つまり平成とか昭和というのは、私の時代では天皇崩御から自然と変わるものだと思っていたが、特に天皇や将軍が変わった訳ではないので不思議だなと思った。
あれから――
先生達は江戸に帰り、すぐに土方さんや山南さん達が大坂(おおざか)へ出張に行った。
千鶴に関してはちょっと謎が残ったままだ。
"行方不明の父を探す為、しばらく新選組屯所で居候"
と当初聞かされてた理由だけではなさそうで…。
何故なら、スパイじゃないかと見張るなら同室の私がいるのに廊下でも見張り、私と一緒でもまだ不安なのかたまに山崎さんが私に質問してきたりと、このコに何かあるのか!?…という位、ここに来た当時の私より厳しく見張られていた。
でも、出張に行く前に土方さんが私と共に行動するなら屯所内は自由に行動しても良いと言ってくれた。
"必ず、絶対、何がなんでもお前と二人で行動しろ"と圧力を掛けられ、念を押されはしたが、千鶴も少しは信用を得たという事なのだろう。
……きっと。
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