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□それってつまりそういうことですか。
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「あれ、残念。先客だ。」




そんな声と共に屋上に現れたのはあの涼介先輩。










「あ、なんだ凜ちゃん。」



ははっ、って笑いながら先輩も私の隣に座った。





「…なんで私の名前知ってんですか、涼介先輩。会うの、初めてですよね?」







そんなことを口にすれば、んー。それはこっちのセリフでもあるなー。って返ってきた。









「うちの学年で先輩のこと知らない人いないですよ。」

「それ、俺が学年一頭いいとか言われてるから?顔がいいから?」

「まぁ、そんなとこですね。」

「だよなー。」





そう言って、先輩はそのまま大の字になってゴロンと寝転がった。








「嫌ですか、そういうの。」

「うん。嫌だね。」

「………、…ですね。」








風で私の髪がふわりと舞った。









「俺が凜ちゃんのこと知ってるのも、同じ理由だよ。」

「……そ、ですか。」

「うん。」








先輩は、お腹の上で手を組んだ。











「俺ね。なんかだるいなーって思ったらいつもこうやってここでサボってるんだ。」

「ふふ。学年トップの人が何やってんですか。」

「そういう凜ちゃんもでしょ?」

「ん、……どうですかね。」

「ふは、なんだそれ。」











「…あ、飛行機雲だ。」



先輩の指さす方を見上げる。
















「涼介先輩、明日もここに来ますか。」

「凜ちゃんが来るなら。」

「ふふ、私次第ですか。」

「……。」

「なんか言ってくださいよ。」

「……。」

「…来ますよ、明日も。」

「……うん、了解。」

















それってつまりそういうことですか





--END--


model:知念侑李




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