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□だけどそれはどうしようもないこと。◎
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「涼介。ここ私の家。顔。キモい。出ていって。今すぐ。」

「お、……え、きもっ、…きもっ?!…は、なっ、…えー…。」








どうやら、あんたの今の顔がまじでキモいから私の家から今すぐ出ていって、っていうメッセージが上手く伝わらなかった様子。










「出ていこうか、涼介。」




最低限必要な言葉だけを揃えて投げ掛ければ、涼介は目を丸くした。












「うっそ、お前それまじで言ってんの?!神経疑うわー!

エアコンぶっ壊れた俺の家でこのくっそ暑い夏を過ごせってのか?!」








非難の目で私を見てくる涼介をこちらも非難の目で見返す。













「エアコンぶっ壊れたならそれは仕方ない、それでここに居ることは許す。」







じゃぁ何が不満なわけ、なんて逆ギレに近い感じで言葉を返してきたから今度は一瞥の目を向けてやった。










「その顔だ、気に入らないのは!」

「今になって顔のこと言うか?!10年近く幼馴染みやってきてそれ言うか!」







そうじゃないんだな、ってため息を吐けば、じゃぁまじ何なんだよ、って口を尖らした。










「…何が嬉しくてあんたのニヤケ顔を目の前で見なきゃいけないのよ!」

「…………………え、?」



無自覚かよ、っていう呆れた気持ちを込めてとりあえず涼介の頭を一発ひっぱたく。






「…いって!!」




お前それでも女か!、女だよばーか!、なんて可愛くない返事。







「愛しの彼女からどんなメール来たのか知らないけどねー!

さすがに、1人でにやけられたら引く。どん引き。」




どんどん引き引きどーん引きどんどん引き引きどーん!なんつって。








「お、おまっ、……何で俺が今彼女とメールしてるって知ってんだよ!」

「彼女からのメールでもないのににやけてるんだったらもっと引きまーす!涼介と幼なじみ止めまーす!」









「俺の彼女ナメんなよ!」

「…別にナメてない。でも私の方が涼介のこと知ってるよ。」




「…………、…え?」

「ううん何でもない。とにかく次にやけたら即退場。」






ぜってーにやけねぇし、なんて言って自分の頬をぺしぺしと叩いて気合を入れている涼介。







ほんとはさっきの私の言葉の意味を理解してるくせにそこには触れないでいてくれる優しさが何となく嬉しかった。












だけどそれはどうしようもないこと


別に、早く別れろなんて思ってない。

だけど、あんたが幸せならそれでいいよ、なんて言えるほど私は大人じゃなくて。







--END--

model:岡本圭人




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