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□笑顔で嘘が吐ける君はきっと純粋なのだ。◎
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何となく。


何となくだけど。









気付いてた。







涼介……浮気、してるよね?










最近ずっと機嫌がいいってこと

香水の香りを変えたってこと

よく誰かとメールしてるってこと

首筋に絆創膏を貼って何かを隠そうとしてるってこと






全部気付いてる。


だけど気付かないふりをしてるのは、まだどこかで涼介のことを信じているから。








でも。


そんな我慢の生活も今日で終わらせようと思う。

























「涼介、……ごめん別れよ、」

「……………っは?!」




いつも通り、携帯をいじっていた涼介が顔を上げるまでに掛かった時間。


その間に、涼介は一体何を考えたのだろうか。










…ー浮気に対する言い訳?

…ーそれとも、別れを告げられて嬉しかった?














「な、んで…ーっ」

「何でって……、涼介が…う、浮気…してるからでしょ…!」

「は……?俺が?浮気?

……凜、本気で俺が浮気してるって思ってるわけ?」

「……………。」










すると涼介は私を抱きしめて言ったんだ。






「俺が好きなのは凜だけだから…、

凜以外の子なんて考えられない…。

……ね、俺を信じて?」






…証拠だってあるのに何を信じろって言うの?


そう反論しようと、涼介の胸の中から逃れるようにして顔を上げた私は硬直した。







……涼介が…笑っていたから。





「ね?…俺は浮気なんてしない。

凜以外の子を好きになったりしない。

約束するよ。神に誓う。」








"神に誓う。"



誓う以前に…もう誓えないんだよ。

だってほら。



今、貴方はそうして嘘吐いてるじゃない。










笑顔で嘘が吐ける君はきっと純粋なのだ。




--END--

model:山田涼介



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