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□花 えがお。
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どこまでも果てしなく続く、雲一つない澄み渡った青い空の下。
花びらを目いっぱいに開かせている桜の木をぼんやりと眺めた。







凜のいない、2度目の春が今年もやって来た。







「…凜。…ーっ、」



次の瞬間、強い風が俺を襲った。

俺が名前を呼んだからだろうか。
俺が気安く名前を口にしたから、神様が怒ったのだろうか。









俺はまだ……許してもらえないのだろうか。















凜が自殺なんかしたのは、たぶん俺のせいで。


お前が何したんだよ、って聞かれたらそれは分からない。


だけどたぶん。





…たぶん、それは俺のせいだったんだと思う。










今となっては、どんなに俺が必死こいて調べあさったところで何かが明らかになるわけではなくて。



















「…山田。」


不意に俺の肩に手が置かれた。



「…大ちゃん。」

「なぁ、山田。今、何考えてた?」

「…俺ね…、…まだ許してもらえないみたい。」





大ちゃんの視線も、俺と同じ桜の木に向けられた。




「………。」


何か言いたげな大ちゃんを無視して俺は話を続けた。






「俺、果たせないと嫌だから約束って好きじゃないんだけどさ…、」

「…うん。」





「凜に対する償いの気持ちとか…そんな、同情染みた意味でじゃなくてさ…





…俺、これからもずっと凜だけを想い続けるよ。
凜の居ない人生なんて、やっぱり考えられないんだ、。」


「そっか…。」



















「涼介。」


声のする方にくるりと振り向けば、そこには知念が立っていて。


どんな俺でも受け入れてくれる仲間たちがそこにいた。






















「山田。こういう時は笑うんだよ。」


薮くんはそう言った。














桜の花びらが風で舞い上がり、俺は久しぶりに暖かな春を感じた気がした。















花 えがお





--END--

model:山田涼介


はい、全っ然関係ないのに山田ごめんね(^^)/

勝手に題名拝借してごめんね、。


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