☆新庭

□08
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早朝4時半前、設定しておいた携帯のアラームが静かな部屋に響いた。

そのアラームの2コール目には途切れ、変わりに布の擦れる音が響く。

まだ働きの鈍い頭に片手を添えながら、もう片方をベッドに付いて上半身を起こす。




『…あー、朝か。』




掠れた声を零してベッドから足を下ろして備えつきの冷蔵庫からペットボトルを手に取ると、それで喉を潤す。

すーっと冷たい水が身体に染み渡っていくのがわかる。

それを机に置くと、片手で髪を掻き揚げながら洗面所に向かう。

あくびをひとつして顔を簡単に水で洗うと、タオルで拭きながら寝室に戻ってくる。

タオルを取り合えずベッドに放ると、うーんとひとつ背伸びをひとつして畳んでおいたジャージに着替える。

アラームを止めたままの携帯を手に取ると、手馴れたように携帯をいじりひとつの番号へ電話をかける。

PLL……PLL……

1、2、3コール目で止まり、いつもより少しだけ覇気のないような声がした。




『おはよう、  。1コールで出ないなんて珍しい。』

「《―――――。》」

『そうだけど。無理してるんじゃないよね?』

「《―――?―――――。》」

『はいはい。でも、本当に無理しないでよね。』

「《―――――。》」

『それは無理なご相談。まあ、送ってくれればやるから。ひとりで頑張り過ぎないように。』

「《―、―。――――。》」

『ん。じゃあ、切るね。また明日。』




向こうの少し不機嫌そうな声を聞いてから、通話を切った。

違和感はあった、それは電話だからか。

まあ、本当に何かあれば彼の場合半理不尽な事を何か言ってくるか。

出来れば何もないと良いが。

とん、とベッドに腰を落とすと手に持っていた携帯とは別の、配布された携帯の着信音が耳を掠める。

考え事を一度やめ、その携帯を手にとって名前を見てから電話に出る。




『…はい、わかりました。』















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