☆新庭
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粉を入れ、レモン・蜂蜜・塩を加えて専用の天然水をボトルに注いでしっかりを蓋をする。
カシャカシャとドリンクの入ったボトルを決めた回数で振って籠に入れる。
246回それを繰り返して、一杯になった籠を業者用の専用の冷蔵庫に入れて適温を設定してある程度冷やす。
此処に来てまだ2週間だが、大体慣れてきたと言うところか。タオルの用意が出来ているのを横目に伸びをする。
マネージャー専用の部屋の電話が鳴り、それを取り数言話すと切って部屋を出る。
『…ああ、やっとご帰還か。』
部屋に飾られたカレンダーをドアが閉まる間に確認して、足を運ぶ。
向かうは電話の相手がいるコーチ専用のモニター室。
『失礼します。』と一応声をかけて中に入ると、相変わらず白スーツできちっと決めたコーチが机に肘を着いてモニターを見ていた。
同じようにそのモニターに目を移すと、幾週間振りに見る彼等の姿。
モニター一杯に映った彼に、相変わらずか、と息を吐いてコーチに目を向ける。
『来ましたね。』
「ああ。平理と天神が抜け出して彼等にちょっかいを出しに行った様だ。連れ戻す事と様子見でも行って来なさい。」
『…はいはい。』
もう一度モニターを見ると、草むらに隠れた二人が中学生を吟味している姿が映っていた。
いくつもあるモニターの別には懐かしい姿も見えて、思わず口元を上げながら踵を返して窓から飛び出す。
木と木と飛びながら走り抜けて、平理と天神が見えたので足を止めて木の枝に立って幹に寄りかかる。
彼らは一番弱そうだと 見 え た 青学に声をかけたようだった。
「この合宿に特別参加を許された超中学生ってのはキミ達なんだろ?」
「此処を通りたきゃ缶倒しやってきな。1人10球やるからよ。」
「「やれや、中学生(ガキ)ども!」」
『…しょーもな。』
コトンと缶を両端とセンターの3箇所にセットしてしたり顔をする、高校生。
コートのほうに身体を向けて、尚登ったまま幹に寄りかかって呆れ顔になる。
青学は顔を見合わせるも、ラケバからラケットをを取り出して、ボールを数回着いて放つ。
ガコ、ボコと鈍い音を立てて、両側から同時の圧力に敵わず凹み倒れる缶。
「おおっ、ラッキー。当たっちまったぜ!」
「グレイトーッ!」
目を見開く平理と天神。
当てたのは桃城と河村。そのパワーに缶は無残に凹んでいる。
次に立つのは乾。
「ウォーターフォール。」
そう言って放たれたサーブは、物凄い速さでコートに突き刺さる。
缶に当たらなかったものの、その真横を通り過ぎたボールの風圧に缶はゆっくりと倒れる。
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