じれんま

□06
1ページ/10ページ





「火神でも歯が立たない黄瀬の弱点が…?」
「パス回し以外コート上で最弱の、黒子くん…!?」
「…で?確かに黒子っちのプレイは見ても無理っス。けどそれで何が変わるって言うんスか?」



誠凜側は、火神があげた黄瀬の弱点に怪訝な顔をする。
黄瀬も眉を寄せたが、だからなんなんだと依然態度は変わらない。
火神は何かを企むように含み笑いをして黄瀬を真っ直ぐ見た。



「変わるさ!第2クウォーターで吠え面かかせてやる!」



火神が黄瀬相手に啖呵を切ったところで第1クウォーターの終了の声かかかった。
各チームごとに選手はベンチへと戻る。
海常ベンチは、監督武内の怒鳴り声が響く中、黄瀬は何かを考え込む表情でベンチに座りこむ。
誠凜ベンチは、火神の作戦に全員の瞳が光った。



「うん、それイケるかも。火神くんもやっと頭が冷えたようね。」
「いや、オレは最初から…。」
「「超ムキになってたよっ!」」
「けど、黒子くんと火神くん。ふたりの連携が大事よ、これ。出来る?」



惚けるどころかけろりと火神が零した言葉に、日向と伊月は少し声を荒げてツッコんだ。
相田の問いに、目線を泳がせながら曖昧に頷きかけた火神の腰目掛けて黒子のチョップが刺さった。
火神が突然の痛みに顔を歪め、そこを抑えつつ黒子を見下ろすと彼は真っ直ぐ火神を見つめていた。



「黄瀬君を倒すんでしょう。」
「…、…ったりめーだ!」



視線から顔を背けながら、彼も黒子の脇目掛けてチョップをかました。
その攻撃はかなり深く入って黒子は痛そうだったが、気持ちは上々…!

(…いいなあ、おとこのこは。)

第2クウォーター開始を知らせる言葉でコートに戻っていく彼等の背中を見送りながら、相田は腕を組みつつ口を開く。



「んじゃ、ま。逆襲、よろしく!」



一層盛り上がる海常ギャラリーの応援に、誠凜1年の応援が混ざりこむ。
開始と同時に黄瀬、日向、黄瀬とゴールを立て続けに決めていく。
海常のディフェンスは変わらず、マンツーマンのまま。
日向、伊月を経て第2クウォーター入って、初めて火神にボールが渡った。














次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ