じれんま

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黒子とユナが幼馴染みなのは家が隣だからだ。

海常高校との練習試合当日。
黒子が家のドアを開けると、その先に立っている彼女を見つけた。
制服の上にパーカー、更にパーカーのフードを相変わらず目元を隠すようにすっぽり被っていた。



「どうかしましたか?」
『海常との試合、連れていって…。』



フードを深く被った彼女の表情は見えない。
しかし、黒子にはその感情が読み取れた。
黒子はユナの傍まで行くと、行きましょうか。と小さく微笑んだ。

…彼女の機嫌を害さないように。



「で、連れてきたってーのか。」
「はい。見学なら問題ないですし。」
「まあ、そうかもしれないけど。」
「それより先輩、今はユナに近づかない事をおすすめします。」
「は?」
「帝光中の、バスケの事は特に…。」



海常へ向かう電車の中。

黒子は彼女を連れてきた理由と共に、忠告を誠凛のメンバーにした。
どういうことかと問い詰めるが、黒子は口を開くつもりはない。

(ユナにとって、あの頃程、踏み込まれたくない時間は無いでしょう。)

記事を見てから、話をしたいと思っていた全員が残念そうな顔でユナの方を見た。
彼女はひとり離れた場所で、窓の外を流れる景色を見つめている。
その先で何を思っているのかは、黒子にも判らない。















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