本棚V
□金魚鉢
2ページ/10ページ
「おじさん。最近、急にどうしたの?」
「何が?」
「いやいや。やる気スイッチ入ったみたいに。変ですよ?」
ニノが眉を寄せた。
「変って失礼じゃない?俺だってやるときはやるんだからな。」
「あんたのやる気スイッチは釣りと絵とライブのみだと思ってたけど。」
「翔さん、留守だからってリーダーが頑張んなくてもいいんだよ?」
「そういうんじゃ、ないよ」
あー。松潤にはバレてるんだな。
ニノも既に気付いてやれやれと呆れた顔をしている。
「翔ちゃん、帰ってくんの三日後か。」
海外に仕事で単身行ってしまった翔くんの存在は、俺たちには大きな存在で。
俺にとっては。
まるで空気のように必要な存在だった。
あー。うまく呼吸ができないよ。
頑張るから。
頑張るから。