本棚V

□縛られる智くんに萌えすぎる件
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「こ、これ、何なの?」
「ふへ?」
雑誌を持つ手が震えた。
新聞は三社購読することにしているが、智くんのグラビアが載った雑誌は店頭に並ぶ前にゲットしている。
天使のようなまるで何も知りませんと言っている無垢な瞳がこちらを見上げる。
「これ、誰がしたの?」
なるべく平静を装っているが、声が少し震えた。
問題となる某雑誌の1ページを智くんに見せる。
「え?カメラマンさんだけど?」
純粋無垢な天使は何が問題なのか分からない様子で首を傾げた。
「ど、どういうシチュエーション、だったのかな?」
「どういう、って。どうしたの?翔くん。」
「いいから!」
「変なの。」
口をちょこっと突き出した。
「猫と一緒に撮り終えて終わりの予定だったんだけど、リボンでプレゼントみたいに結んでみようかってなって。」
「…プレゼント?」
「猫の首にもお揃いでリボンしたんだけど、猫は載ってないんだね?」
おかしいなー、と首を捻る。
「猫は首にリボンで、なんで、智くんは手首なの?」
「へ?やー、考えなかったなー。首だと人間だから卑猥じゃん?」
意味が分からない。
手首の方が卑猥ではなかろうか?
いや、確かに智くんの首輪グラビアも見たかった気もするが。
しかし、なんで両手首をがんじがらめに縛られて抵抗できなくさせるだなんて。
しかも、この色っぽい表情。
「な、な、なにかされなかっただろうね?」
智くんはキョトンと目をぱちくりさせた後、目を皿のように細くしてまるで奇怪なものでも見るように俺を見た。
「翔くん。何、妄想してる?」
「な、なにも!?」
「智くんの両手首を縛り上げ身動き出来ないようにした後、第一ボタンからゆっくり外していき、滑らかな素肌に手を」
「うわー!なんでだ!ただ漏れしている!」
頭を抑え漏れていく妄想を防ごうと抗う。
「翔さん。」
「へ?」
背後に立っていたニノがニヤリと笑う。
次に目の前の智くんを見ると真っ赤な顔をして震えている。
「翔くんの、変態っ!スケべ!」
「いや、あの、ちが」
「リーダー、あっちに行きましょ。」
ニノがわざとらしく智くんの腰に手を回して離れていくのを!止めることも出来ずに見送った。


ああ、このグラビアは額に入れて枕元に置こう。



end
 

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