本棚V

□Bitter Valentine's day
1ページ/9ページ

倦怠期?

いや、前からこんな感じだし。

じゃぁ、自分とニノとでは温度差があるのかなー。


俺に背を向けて黙々とゲームをしているニノに気付かれないようにため息をついた。




『Bitter Valentine's day』




いつから恋人になったかって聞かれても、唸るほど前からで。
しかも、きっかけがどれなのか分からないくらい当たり前に付き合った。
全てが自然ですんなりと。
きっと世の中の片想い中の人たちや恋人たちからブーイングが起きそうなくらい。

きっと俺の悩みなんて贅沢なんだよね。


ニノの背中を見て更に思う。
同じ部屋に居て、ゲームの世界に没頭するニノの頭の中にきっと俺の存在はこれっぽっちもないだろう。
けど、ニノのことばかり言えない。
俺だって、釣りに行ったり絵を描いたり。
そんなときは、あっちの世界に飛んでいて。
独りの世界に身を浸している。

だから、言えない。


もっと構ってほしいなんて。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ