小話

□at home
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「ちょっと来ない間に、ずいぶん綺麗になったもんだな」
「あぁ、この間ルーシィが来て片付けてくれたからな」

今日はハッピーが一人で魚捕りのクエストに行っているため、久々に二人きりで過ごそうとナツの家へやってきたのだが、以前来たときのごちゃごちゃした部屋が見違えるように整っていて驚かされた。

「ルーシィ、お嬢様育ちの割にしっかり掃除とか出来るんだな」
感心しながら部屋を眺めると、"ガルナ島みやげ"の札がついた首飾りが目に入る。

"そうか、この頃から俺たち一緒に仕事し始めたんだよな…"
普段は恥ずかしがって、記念日などの恋人らしいことはしないのだが、ナツなりに思い出を大事にしていることがわかって自然と頬が緩む。

「何ニヤニヤしてんだ変態…」
当のナツに冷ややかな視線を送られても、頬の緩みは酷くなるだけだった。


「こっちの部屋は片付けられてないんだな」
奥の扉を開ければ、そこがナツの寝室だった。
仲間とはいえ、ルーシィも異性の寝室には入りづらかったのだろう。
リビングほど物は多くないので大掛かりな片付けは元々必要なさそうだが、ベッドの毛布や枕は乱れたままだった。

シワの寄ったシーツを見ていると、以前この部屋に来たとき俺が置いていった"あるモノ"を思い出した。
もしかして…と思い、ベッドの下を覗き込むと、小さな箱が見える。
…当たりだ。

「ナツさん良かったなぁ、ルーシィにこんなの見つからなくて」
ベッドの下に手を突っ込んでその箱を取り出し、ナツの前でちらつかせると、ナツの顔がみるみる真っ赤に染まった。

「そそそれはッ、お前が勝手に持ってきて!!」
箱からソレを取り出すと…中身はいわゆるピンクローターだ。
親指ほどの小さいものだが、そのぶんナツの狭いナカでも奥まで入って、以前使ったときは想像以上の効果を得られた。

「コレ使ったときのナツ、凄かったよなぁ。ずっとイキっぱなしで」
そのときのナツは最強にエロかった。強すぎる快感に涙を流して声を上げているのに、もっと奥に欲しいのか自分で腰を振って…。
実はそのときのナツの痴態を思い出してオカズにしたことすらあるのだが、ナツにそう言ってしまったらきっと灰にされるだろう。

「でも最後には"ちゃんとグレイのでイカせて"っておねだりしてきて可愛…」
そこまで言って、ナツの拳が炎を纏っていることに気付き慌てて口を閉じる。

「でも捨ててないって事は、またコレ使ったプレイしたいんだろ?」
「ちがっ、恥ずかしくてどこに捨てたらいいかわかんなくて!!」
必死で否定するナツはもう全身ピンク色。どこまで可愛いんだ。
可愛いついでに、もっと苛めたくなる。

「嘘つけ。夜、一人でコレ使って遊んでるんだろ?」
もう俺のじゃ満足できなくなってんじゃねぇか?
と耳元で吐息まじりに囁いてやると恥ずかしさが限界を超えたのか、崩れ落ちそうになったナツをとっさに抱えて支えた。
ちょっと苛めすぎたか、と思っていると、ナツの両腕が俺の首に回される。

「ちが、う…」
「ん?」
俺の耳に触れそうな距離でナツの唇が動く。

「…オレは、お前じゃないとイヤだから…」
か細く、やっと聞き取れるような声。
今のナツがどんな顔をしているのかは見えないが、きっと俺の想像する通りの顔をしているだろう。

「…俺だって、オマエだけだよ」
そう言って抱きしめる腕に力を込めた。


→あとがき
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