うぉーあいにー
□可愛い子には旅をさせろ!
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「待ちやがれっ」
追う5人の男と、
『待つわけないじゃないですか!』
逃げる1人の少女。
可愛い子には旅をさせろ!
何故、私は現在進行形で追われているのか…
「てんめ!俺の弟ふってんじゃねーよクソアマ!!俺の弟の何処がダメなんだよ!?あぁ?!鼻垂れ顔かっ?それともネチネチした性格かっ?」
何なんだあの人達は。
何処がダメってそんなの…
『知らない人だからに決まってるでしょうが!何で追いかけてくるんですか?!しかも顔もダメで性格ダメってもぉ最悪じゃないですか!!』
「んだと、てめー!」
あれ?
私、間違ってないよね!
十分な正論言ってるよね!?
『あれは…江戸!』
助かったかも。
人混みに紛れちゃえばこっちのもん!
「付き合え!いや、もうまじ頼むから」
「あいつも別嬪の嫁もらえば人生やりなおせるかもしれねぇんだ!」
人生やりなおすって…何があったの!?
『ふざけるのは顔だけにしてください!』
チラっと一瞬振り返り路地裏に入っていく。
…路地裏って大丈夫なのかな。
だ、大丈夫だよね!うん、そういうことにしておこう。
「あきらめなっ」
目の前には2人の男。
「やーっと、捕まえたぜ」
バッと後ろを振り向けば3人の男。
やっぱ路地裏ダメじゃん!!
バカ、私。
ジリジリ迫ってくる男達。
やばい…。
キュッと懐に隠していた護身用の小刀に手をかける。
「観念して大人しくついてきな!」
左手を力強い手で引っ張られる。
『っ!』
その時、
「女1人に男5人たァ随分豪勢じゃねぇか」
煙管を吹かした1人の男が妖しい笑みを浮かべあらわれた。
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