【F2119】URA

□「おれ達の同居生活(5)」
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中の指を2本に増やしたものの、おれの聞き分けのない息子が早くしろとさっきからビクンビクンしていて、ぐちゅぐちゅに蕩けてきた中にもういいだろと訴え掛けてくる。
「そう焦せんな……」
低く文句を言ったら、ルフィの耳元に吐息が掛かったらしく、ピクッと肩を揺らせた。
「ゾロ、しゃべん、な!」
「あ?」
「んっ」
ルフィが咄嗟に腰を引く。
すると勃ち上がって天を向いていたルフィのナニが、体とキッチン台の間にあったせいで冷たいステンレスの縁に当たったらしく、ルフィは色気もへったくれもなく「うひょあー!」と大声で飛び上がった。
「ちんべてェーっ! ちんこちべたかった〜〜!!」
「あぁ、はいはい……」
笑わせんなよこんなときに……とおれは辟易しつつも、ルフィを抱いていた手でルフィの分身をすっぽり温めるように、包んでやる。
よしよしと言って擦ったら「なんだそれ」とルフィが怒るので、充分熱ちィぞ?と耳元で囁いたらまた「しゃべるの禁止」と機嫌を損ねられた。
「わがままだなぁ、お前は」
「だって……変なことしてるときの、ゾロの声って、なんかさぁ……」
「なんだよ」
「声まで変なんだもん」
「変言うなっ」
「い、いつもと違ってて、おれのちんこまで変になるんだぞっ!!」
どーん。
「……なるほど」
おれの声にまで感じてんのか、良いこと聞いた。
だけど、残念ながら言葉攻めはNGと決めているので。
「もう黙っとくよ」
それだけ言って、おれはルフィの中からずるりと指を引き抜いた。
やだ、と小さくルフィの声が上がる。
何が嫌なのかはしゃべるの禁止で聞けない。
おれは手早く前を寛げ、硬く勃起しまくったペニスを取り出すと、
「ちから抜いてていいからな、その辺に掴まっとけ」
あーしゃべっちまった、と思いつつも親切なのか不親切なのか微妙なことを告げ、ルフィの細腰に片腕を巻き付けるとクッ、と自分に引き付けた。
その背中に覆い被さるようにおれも上体を屈め、けれど押し潰してしまわないように気を付けながら、屹立した中心部をルフィの突き出したケツの真ん中目掛け、照準を合わせる。
白くて小さなふたつの丸みを押し開き、おれは柔らかくなっているだろう、ルフィの後孔へと自身を挿入していった。
「ぐぁ、あ……っ」
「ルフィ、きついか?」
全部をぬぐぐぐと押し込んでしまってから、動きを止めて様子を伺ってみる。
「ん、わかんねっ」
「痛かったらとめるからな?」
と一応逃げ道を作っておいてガン、ガン、と奥を何度も突くも、ルフィの膝が開き戸に当たってまたぞろ心配になってしまう。
頑丈なルフィのこと、このくらいはへっちゃらだと思うのだが、立ちながらのバックは初めてだったから。
なるべくルフィの前もおれは慰めてやりながら、ルフィがステンレスの天板に突っ伏しているその横顔を覗き込んだ。
ルフィは目を閉じ、長い睫毛を震わせている。たまにきゅっと眉根を寄せる様は少し辛そうだ。
キッチンの縁に掴まっているルフィの手は力が篭っているのだろう、白くなっていて、爪がガリッとそこを引っ掻いた。
いつもならおれに必死にしがみついて背中引っ掻いてるもんなぁ……。
それで痛みなり、快感なりに堪えているのだ。
おれはルフィを慰めていた手を離し、ルフィを冷たい台から庇うように自分の腕を下敷きにした。
「おれの腕、引っ掻いていいぞ」
言った途端また噛みつかれたがなぜだか今度は痛みを感じない。
快感に凌駕され、気づかなかっただけだろうか。
それからおれが抽挿を激しくすれば、ルフィはおれの腕に歯を立てたり、ハァハァと熱い息を吐き掛けたり、ときにはちゅうっと吸ったりしてきて。
……しかもなんだか、やたらと色っぽいツラで――。
「イイのか?」
こんなことを聞いたのは初めてだった。
「んっん、ゾロ…ゾロ……っ」
「すげ、可愛い……」
ぎっちり繋がっている部分がずち、くち、と卑猥な音を立てる。
更に振り幅を大きく、強く貫けば、ルフィがおれの手をぎゅっと掴んできて正解だと教えてくれた。
「ゾロ、ぁん…ゾロっ、ゾロ! ゾ……っ」
「ルフィ……!」
お互い、終幕のときが近づいてきたようだ。
もう少しルフィの中に留まって、熱くきつい絞め付けを味わっていたかったけれど、お互い(おれだけかもしれないが)5日ぶりのセックスで暴発点は低い。
より深く、根本まで埋め込んで、ルフィのイイトコもガツガツ突きまくって、総ての快感がルフィとおれだけのためにあるような錯覚に陥ったとき、頭ん中が真っ白になった。
こう言うのをスパークっつーのか……?
「ルフィ、悪りィな、加減が……」
どうやって加減していたのかもわからない。
おれはたぶん生まれて初めて、セックスで我を忘れ、容赦なく腰を繰り出しながら甘く高く喘ぐルフィの声を聞いていた。
「やぁアア……! ぞろ、おれもう…あっ、あぁあ……っ」
また、ちゅう、とルフィがおれの腕に吸い付く。
それはルフィが果てた瞬間で、初めて後ろだけでイった瞬間でもあった。
それでも止められないおれのせいで互いの汗ばんだ肌が、びたっ、びたっ、と打ち鳴る。
その調べでさえおれの劣情を逆撫でしてくれて、脳髄と下半身をゾクゾク刺激しまくった。
「…クソ、ヤッベェ……」
「ダメ…だ、ゾロおれ、ちから…抜けてき…た!」
「最初から抜いとけっつったのに……」
ガクッと崩れ落ちたルフィの体をおれはしっかりと抱き止め、最後は両腕で強く強く抱き締めながら、全ての欲望をルフィの中に解き放った。



ピロリロリロ、ピロリロリロ、とルフィの携帯が鳴った。
ルフィのメールの着信音は“正義の味方、そげキーング!”と言う着ボイスなので(脱力)、あれは電話だ。
「ルフィ、電話だぞ」
おれはリビングのソファで、ルフィを風呂に入れてやったあと(ルフィが立てなかったもんで……)、パジャマ姿のルフィを抱っこした体勢でガラスのローテーブルを指差した。
その上にはルフィの携帯電話。
「のあ〜」
と半分夢の中だったルフィがでっかい目をとろんと開けて、ノロノロとおれの腕の中から離れると自分の携帯を手に取った。
随分、無茶を強いたような気がする。こんなにぐだぐだなルフィを見てしまうと……。
次はちゃんと1週間開けよう、とかたく心に誓うおれだった。
「もひもひ……。あ、エースぅ? うん寝てた……。ん、元気だぞ。…うん、ちゃんとべんきょ、ふわぁ〜あ、してるって。…ん? ゾロ? さっき一緒に風呂入ったぞ? …へ? 変なこと? おぉ今日したしたー、もーおれクタクタ……」
「おい、余計なこと言うな!」
「エースなんか怒ってるか? え、ゾロに代わんの? ほーい、ちっと待ってな〜」
「いやおれは代わりたく――」
「ん、ゾロ! エースがしゃべりたいんだと!」
やっと目が覚めてきたのか、ルフィがにっこり笑って携帯を差し出してきた。
おれはブルブルと首を振ったのだが不思議そうに瞬きするルフィにはやはりと言うか、おれの悲痛な訴えは通じなかったようで。
「お、おれはいないと言ってくれ」
「いるじゃんか」
「………」
ハァ……ですよね。
恐る恐る手を伸ばしたおれに笑顔でバトンタッチしてきたルフィが今ばかりは悪魔に見える。
その後、ルフィの兄にこっぴどく叱られたおれはまぁ自業自得なのかもしれないが、やっぱりルフィに「変なこと」をするのはやめられそうになく。
結局「すんません」しか言えなかったおれが通話を終えると、ルフィはなぜだか、携帯を受け取らずにおれの腕をガチッと掴んできた。
「ルフィ?」
「これどーしたんだ?」
「あ? ああ……」
パジャマの袖から覗いていた、おれの手首の上辺りに残る、無数の歯形とキスマーク……。
もちろんルフィがつけた痕なわけだけども。
「覚えてねェか」
そうだよな、あんなに倒錯したセックスは久々だったから。
まさかルフィも、だったとは……。てのは、自惚れすぎだろうか?

「なにが??」
「気にすんな」
「あーっ! そういやまだ5日しか経ってなくねェか!?」
「気にすんな……」

おれはニッカリと笑い、「腹空いたな」とルフィの気をまんまと食いモンに逸らし、「減ったー!」と飛び付いてきた体をやんわりと抱き締めた。





(おしまい)


表に続きます*
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