【F2119】URA

□「おれ達の同居生活(5)」
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1、2、3……とおれは指折り数えて、グーにした時点で「足りねェ」と呟いた。
まだ5日しか経ってなかった、前回、ルフィを抱いてから。

おれが同居人のルフィに、無理やりにではないにしろ、セックスを仕掛けるようになって数ヵ月。
それが、ルフィが慣れてきたのをいいことに1日とか2日置きにルフィを抱くようになって、その5回目くらいには早いのか遅いのか、ルフィに「変なことするのは週に1回にしてクダサイ」と神妙な顔でお願いされた。
同じく神妙な顔で受諾したおれは、1週間経つのをこうやって指折り数えているわけだが、5日目にして軽く禁断症状に見舞われている。
抱きてェ……。
キッチンで一緒に洗い物をしながら、おれが食器を洗い、ルフィが拭いていく作業を淡々と繰り返して本日2度目、おれはルフィの手から滑り落ちた皿をキャッチした。
「ナイス、ゾロ!」
「お前はもう少し物事に集中しろ」
とは言うもルフィのそれは偏ったものにしか発揮されないだけであって、決して集中力がないわけではない。
「空手のカタやってるときはめちゃくちゃ集中してんだぞ!?」
「ああ、あれカッコイイよな」
「だろ!? おれカッコイイだろ!?」
「お前が、とは言ってねェ」
「なんでだよっ」
うがっと牙を向くルフィにおれはくつくつと笑いながら、最後の一枚を洗い終えた。
ルフィに家事はたいへん危険なので全般やっているのだが、このくらいはさせるのだ。
空手といえば、なんで週1なんだよ、と訊いたことを思い出す。
ルフィはおれと同じ大学に通っていて、空手部に所属しているのだが(真剣にやってると言うより例のカタがカッコイイからという理由で)、まぁなんだ、あんまり頻繁だと響くのだそうだ……腰に。
確かに男のルフィが男にされているわけだから、する方のおれにはない負担が掛かっていることは頷ける。
最初のころなんか「痛くて起き上がれねェ」とベッドから出てこないこともままあったので。
だからというわけではなかったしルフィの体を気遣っていたわけでもなかったのだけれど、当時はたまーにルフィに触れればそれなりに気が済んでいたのに。
「なんでたまーにで我慢できてたんだろうな……」
「ん?」
「おれは洗い終わったぞ、あとはルフィの仕事な」
「えーゾロやってくれよう〜」
……“変なこと”ならいっくらでもやってやるが?
とは言えないので、「見張っててやるから」と返す。
「ふおーい……」
ルフィはつやっとした唇をとんがらせながらも、ふきふきと手元に集中し出した。
「体のわりに手足はでかいよな」
「おれ?」
「ああ。まぁほっせーけど」
セックスごときが響くと言う腰も、おれの両手ですっぽり掴めそうなほど細いし。
「細い言うな!」
「ホントのことだろ」
ほれ、と言いながら赤いTシャツのウエストをキュッと掴む。
よくしまってて、薄っぺらい。
「うひゃうひゃくすぐって!」
「お前敏感だよな」
言いながら、一旦触れ始めると止まらなくなってくる。
たちまち頭がそればっかりになってきて、おれもたいがい若ェよなぁと自分の自制心のなさに軽く凹んだ。
が、熱くなってきた下半身を止めようとも残念ながら思わないので。
「ちゃんと拭けって」
「だったら変なことすんな」
「これも修行」
「なんのですかぁ!?」
確かに、酷い言い様だ。
おれはルフィのTシャツの中に左手を突っ込みながら、少し下にあるウマそうなうなじにちゅっとくちづけた。
「こらこらゾロ!!」
「んあ?」
とか曖昧な返事をしながら掌ですっべすべの素肌を楽しむ。
指先に引っ掛かってきた胸の突起に気づいて、ぺたんこの胸を揉みし抱けば、ルフィが「わわ」と更に慌てた。
「変なことすんの!? ここで!?」
「勝手にやるからお前は皿を拭け」
「ムリムリ絶対落としちまう!」
拒絶の理由はそっち?
そっかならいいよな、とおれはちっともよくないだろう行為を続行することにした。
小さな粒を押し潰すように指でくいくいして、くにんと摘まむ。
とたんにルフィが皿をつるっと落としたので右手でキャッチ、ルフィの手に戻してやる。
「なんかっ…ゾロ…冷静すぎて、ムカつく」
「ぜんっぜん冷静なんかじゃねェよ」
と腰を押し付ければルフィはぐっと皿を握り込み、パリンと真っ二つに割ってしまった。
どんな握力してんだお前……。
まだおれのを握らせたことはないが、正解だったかも。
「あ〜〜っ!!」
「喚くな。手切るから流しにおいとけ。はい、次」
「まだやるんか!?」
「そりゃどっちをだ?」
皿拭きか、変なことをか。
「おれは皿拭きてェの!」
「じゃあ続けていいぞ」
きゅ、とまたチクビを引っ張って。
「あっ、もー! こうなったら意地でも全部拭いてやるっ」
ルフィっておもしれェよな……。
おれは笑い出したいのを堪えながら、こんなだからおれなんかにヤられちまうんだ、と少し同情した。
そしてルフィのジーパンのジッパーを、ゆっくりと下ろしていく。
意固地になって皿をキュッキュと磨いているルフィは気づいているのかいないのか。
続いてルフィの赤く染まった耳たぶをパクとくわえると、下着の中に左手を滑り込ませた。
「ぎゃっ、いつの間に……! ゾロはマジシャンか」
「……どの辺が?」
マギーなんとか並みに見え見えの種だったと思うんだが。
つーかやっぱり気づいてなかったか……。
耳の穴に舌を突っ込みながら、わざとぴちゃりと音を立ててルフィの動きを止めてしまう。
「やっ」
ルフィって耳弱ェんだ、とか再確認しながら手の中のまだやわらかいモノをもみもみして、右手はルフィの腹をするする撫で回した。
「ん、はっ、ああ……っ」
「この辺も弱い」
「?」
当惑したルフィに知らしめるように、首筋の窪んだ部位に舌を上から下へ、また下から上へなぞれば、ルフィの狭い肩がぷるぷる震え始めた。
これはルフィが気持ちいいのを耐えているとき。
ホントに、かなり、ルフィは敏感だと思う。
だからすぐにぼうっとなっておれがいいようにできたわけなんだけど。
だけどここは台所。しかも立ったまんま。さすがにこんなシチュエーションは初めてなので。
「ゾ、ゾロ……!」
「なにか」
「なにかじゃねー!」
今夜はなかなか手強い。
こりゃあさっさと翻弄させてしまわなければと、おれは頭をもたげ始めたルフィの証をリズミカルにしごいた。
「あっあ、あっん、やめっ」
ちなみに声も可愛いんだよなぁ、コイツ……。
「ヤベェ、ムチャクチャ燃える……」
場所が場所だからなのか、いつもと違ってルフィが抵抗するからなのか。
そんなおれの、欲にまみれた台詞は届かなかったらしく、ルフィの腰が僅かに揺れ始めた。
実は、おれはなるべく、ルフィの言う「変なこと」と性行為を直接的に連想しないよう、エロいことは言わないようにしているのだ。
おれとしては「ルフィの体エロい」とか「ルフィの声たまんねェ」とか「もっと腰振れ」とか「ヒィヒィ啼かしまくりてェ」とか、色々諸々、言葉攻めもしてみたいのだが。
我慢だ我慢……。
しかし、ふと疑問が湧いた。
「ルフィお前、マスとか掻かねェのか?」
「ます?」
すっかり舌っ足らずになってきたしゃべり方もメチャクチャ可愛い。
「オナニー」
「ぅん、あっ、……しねェよ?」
「オナニー知ってたのか……」
ちょっと驚いた。
「ウソップと、サンジ…が、たまにずりネタの話…してっか、ら……んんっ」
「情操教育に悪い」
いやいちばん悪いのはおれだけど。
ルフィにずりネタなど、オナニーしないのだから興味も湧かないしそれおいしいの状態なわけか。
「あ、ハァ……なぁゾロぉ」
「ん?」
と応えながら、揺れる黒髪にキスを送る。実はセックスの最中、まともなキスはしたことがない。
「なんで、ちんこ擦られると…んっ、キモチーんだ?」
……初歩的な疑問すぎだろ。
確かにこんなヤツがマスなんか掻くわけねェ。
「さぁな」
ぺろ、と首筋の弱いところを舐めて誤魔化したら、案の定ルフィの手がまたピタリと止まった。
おれは手中にしている熱いルフィのペニスを少しきつめに皮を打ち付けるように、シュッシュと擦り上げてやる。
「んや、あっ……ゾロ!」
やがて、ルフィの小振りなナニの先っちょからは、生温かい先走りが溢れておれの手の動きも一層スムーズになった。
クチクチとやらしい音がしてきて、それを聞かせないようにまたルフィの弱い耳を舌先でなぶる。
コイツって、あっちこっち甘ェ。
「ハァ、ぞろ、おれもうちんこ痛い……」
ルフィはいつも決壊が近くなるとこう言ってジタバタ暴れ出すのだ。
たぶん強すぎる快感に不慣れだからだろうとおれが気づいたのは、ルフィを抱くようになって数回目のことだった。
「悪い、今日はちっと我慢な」
「ん…?」
たった5日なのに、情けないことに、おれはもうギリギリなんだ。
射精感からぶるんっと震えるルフィの両腕をおれは拘束するように、後ろから片腕だけでしっかりと抱き締め、ルフィの前を握っていた手を後ろへと回した。
その拍子にルフィの緩いジーンズが足元まで落ち、パンツは太ももの辺りで止まった。
ちなみにルフィの手はもう皿を拭くことを疎かにしているようで、皿を置いたまま布巾をぎゅっと握っている。
「皿はもう拭かねェのか?」
「ふ、拭くに決まってんだろ!」
全く強情だが、おれに抱き抱えられた状態では上手く拭けなかったらしく、しまいにはおれの腕をガブッと噛んだ。
「痛って!」
「しししっ」
まだ笑う余裕があるとはビックリだぜ……。
しかし、それもここまで。
少し足を開かせ柔らかい双丘の肉を掻き分けて、ゆるく蕾を刺激していた中指をズッと突き入れると、「わぁっ」とルフィが頭を上げた。
ゴツーン!
「……っが!!」
今度は鼻を強打……ルフィの後頭部で。全然ここまでじゃなかった。
「あ、ごめんごめん! ゾロ痛かったか!?」
くりっと顔だけルフィがこっちを向いた。
その真っ赤なほっぺにおれは簡単に煽られながらも、
「お前は痛くねェか?」
とルフィの中の指をくいっと曲げて、至近距離にある鼻先をちろっと舐めた。
「んにゃ!?」
ルフィがきゅっと目を瞑る。
それはおれが鼻を舐めたからなのか、中が痛かったからなのか。
それとも――。
「へ、ぃき」
ふりふりとルフィは頭を振って、更に真っ赤になった顔をまた前へ向けて俯くと、おれの片腕をぎゅっと掴んできた。
あーったく、ルフィの仕草ひとつひとつがおれの息子を挑発しやがるから、始末に悪りィ……。
おれは早急にルフィの腹ん中を指でかき回し、もう熟知している前立腺をぐりぐりしてルフィを啼かせ、きつくその体を抱き直した。


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