ナルいの

□世も明けぬ
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*前文章「私の特権」 と微妙に繋がってます






 ピチピチと、夜も明けきらぬころ。小鳥のさえずりを熱いとさえ感じてしまうベッドの中で効くのは何度目だろうか。そう、すべては隣で静かに寝息を立てている男の所為。普通ならお邪魔しますと申しても本当にお邪魔な時間帯に窓からやってきた金色の男はなんてズルイのだろうか。期待させる言動を残しながらあえて―――そう、絶対にわざとなのだ―――いのが寝てしまおうと思った頃合にやってくる。嗚呼、本当にズルイ。でも。

「好きなんだもん‥」

 うずまきナルトという人物が。
 硬い硬いと思われがちな髪質を指に梳きながら思わせられるのだ。たとえ意地悪くても、他者には猫かぶってようとも、たとえ敵になったとしても。根本からうずまきナルトという人物を愛してしまったから。男にしては白く綺麗な身体も、少し高い声も、全てが重なり合って混じり合って、自分のものにしてしまいたい。酷い独占欲。
 髪を梳いた指を少しずつ輪郭に沿って首筋へと。恐らく自分の首筋にもついているであろう所有の証を見つけそっと撫でる。昨晩自分が躍起になって残した痕は男を喜ばせたばかりだったが、自分は満足感に満たされた。そう、たとえ明日には消えていようと。コレが昨晩つけて明日消えるのならば、今つければ明後日まで残るのだろうか。単純な答えは明瞭なのに、複雑に考えて考えて結局答えは分からぬまま実行に移す。たとえ白く細身であろうと男は男。つけにくい肌質は変わらずに強く吸えば熱が篭った。

「っ‥ひゃ‥」

 己の首筋に感じるぬめりを帯びた熱。あまりにもな不意打ちに反射的にいのは息を吸う。次に感じるのはちくりとした痛み。痛いには痛いのに不快ではないから困ったものだ。

「朝から積極的だな」
「‥っ違うわよ」




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