ナルいの

□私の特権
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 夕暮れのこの時刻になると、任務を終わらせた忍たちでごったかえすこの場所は広いのにもかかわらず窮屈に感じて仕方がない。いのはそんなことを思いながら厚さ2センチにもなろう報告書を受付に渡した。
 ここ数日事務に追われていたのだ。そしてその書類を内容をまとめた報告書をだすこと、それが今回いのに下った命令だった。
 ハッキリ言って雑用以外のなんでもない任務。おそらく、他に人手がいなかったのだろう。その日丁度非番だったいのにそのツケが回ってきた、とんだ災難だ。そう思わずにはいられない。 

「ホント、運が悪いわー」

 はぁ…。と吐きたくもない溜め息ばかりがついて出てくる。

「あら、いのが溜め息なんてめずらしいわね」

 お疲れ様でした。
 その言葉で報告書が受理されたことを悟ると同時に、今日はさっさと帰ってさっさと寝てしまおうと思い踵を返して歩みだしたとき。

「サクラ…」

 ニコリと、屈託のない馴染んだ笑顔を向けられたのだ。
 腐れ縁でもある相手の名を呼べば久しぶりにその名を呼んだ気がした。確かに、サクラ属する第七班はここ暫く長い任務についていたはず。
 普通なら下忍のころの班は、階級があがれば自然となくなってしまうものだが、この班だけはチークワークのよさから変わらぬメンバーで任務をこなしているということは、聞いていた。

「あれ…?いのじゃん!」

 うずまきナルト、に。



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