七班

□優しくて格好良くて強い人
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 綺麗に揃えられたサンダルと出掛ける前は見た目酷かった忍具ポーチの変わり映えに、やはりこのような所はサクラが一番だとナルトは思う。二足あるサンダルのオレンジ色の帯が付いたサンダルをつっかけて庭へと向かった。そろりと花の葉を撫でて次に花弁に触れる。繊細な彼等に強く触れる事は叶わずとも、撫でられる事が嬉しくてナルトは笑う。

 地面へと移すとちまりちまりと広がる無造作な草。そこにナルトは手を伸ばす。

「お前等も生きてるケド、やっぱジャクニクキョーショク!成敗致す!」

 花の栄養分を競合しているだろう雑草を根っこごと抜き取っていくと。

「んー、コレ大きくなれば食べれない事もないのよ?非常食になるぞー」
「そんな不味そうな非常食たべるよりもあっちからいい匂いしてるご飯食べた方が栄養的にも精神的にもいいと思うってばよ」

 手元を遮る長身の影に首を上げる事も無くナルトが言えば確かにそうだと笑い声が落ちて来る。
 ナルトが暗いと呟けば横にずれるカカシに、今度は上をむいてナルトがおかえりと笑う。塀の上に器用にもしゃがんでいたカカシはナルトの横へと降り立つと、くしゃりと金色の髪を撫で、そしてナルトのポーチが置いてある縁側へと座った。

「今日は随分早かったんだってばね」



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