七班
□優しくて格好良くて強い人
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「サスケってば何処ほっつき歩いてンだってばよ」
人の往来が激しい木の葉の中央通りを煙突の上から眺める。人の声がここまで聞こえる事に感心しながら、朝見た時と変わらない全身黒づくめの格好で数時間ほど前に出かけた目的の人物を探した。
黒だから目立たないと言われれば確かにそうなのだが、逆に頭の先から足の先まで、露出した部分が顔と手だけという真っ黒装備なら逆に見つけやすいと言う物で、もとから少ない気配をこの人ごみの中で露わにしている筈も無いだろうサスケの気配を探りながら黒を視界で探す。
サスケは無駄な動きは一切しない。今回だって買い物に行って来るとシンプルで淡々とした言葉を吐いて(他の仲間から言わせると、そのように言うだけでもマシらしい)出掛けたぐらいだった。そのような男がいくら大量の買い物をしているとしてもここまで遅くなるのは珍しかった。
「考えられるのは・・・アレ、か。はぁ・・・不機嫌なんだろうなぁ」
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