七班

□優しくて格好良くて強い人
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 針の攻撃から免れた怪我の無い指でそっと自分の鼻の頭を擦る。

 ナルトがここに座った目的を始める前、つまり縁側に広がる庭の風景を楽しんでいたとき、ナルトは両腕を後ろに付いて上半身をあずけていた。その時少し強い風が吹いたのだ。金色の前髪が無邪気に跳ね空色の瞳を弄び、とっさに閉じた瞼の先は見える筈も無く。
 邪気な気配など微塵も見せない一本の草に、鼻から瞳に掛けてタックルを受けたのだ。

「でもこのオレ様に攻撃をあびせるなんて大した草だってば!」
「何言ってんのよ」

 ナルトの横に置かれていた勇敢なる草を指で撫でながら二人して笑い合う。だがすぐ草から綺麗な指が離れると、針を持つ逆の手、なお且先程鼻先を擦った指とは違う赤く染まったナルトの指を取ると同じような笑みを浮かべた。否、決して同じではない、が。

「にしても、この子に怒られちゃったナルト君はなんで指先が赤いのかなぁ?」



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