七班

□一身に降り注ぐ
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「お生憎様わたしのは半分以上は埋まってるの」
「そりゃ結構なこったな」

 というわけだから勝手に使え、と第三者に言葉を向けているであろうナルトに放てばニッコリと此方を見て笑った。また電話の相手と会話してないなとサスケとサクラが苦笑を漏らす。

 ポンポンという音がしたので今まで仲良しだった絨毯からはおさらばして、音の発生元であるサクラの隣、つまりナルトが今まで座っていた場所へとサスケが移動する。

 微かなぬくもりがナルトを誇示していてなんだか嬉しくて、ちらりとサクラに視線を傾ければ同じようにして笑っていた。サクラとナルトの前では己の無愛想でクールと言われている表情は意味を成さないのだと一体何年前に気づかされたものか。
 それが何だかサスケには悔しくなって唐突にサクラを抱きしめてやれば一瞬吃驚した表情をしたものの、今度は声をだして笑い始めてしまった。

「笑うな」
「やっぱサスケ君も可愛いと思うよ」
「あ!俺も可愛いとおもうー!」

 見事なベッドダイビングを決めたナルトが足りない腕で二人を抱きこむ。
 机を見れば無造作に投げられたオレンジ色の携帯が光を無くしていた。突然切れて再度掛けようとしても電源が入っていない携帯を相手はどう思うのだろうか。



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