七班

□共に歩む巡る季節
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 ずかずかと歩く音が古びた木製の床を軋ませる。特にナルトの足音はお前それでも一応仮にもAランクなどを任される忍者なのかと誰もが聞きたくなるような音量で響き、それだけが逸脱しているように思えた。

 一体何しにお前等人様の貴重な休みを邪魔しにきやがった。それがサスケの何よりも言いたい言葉だろう。だが決して口をついて出ることは無く、というよりも言うだけ無駄なように思えるのが長年の付き合いというものだ。こういう時は己で憶測するに限り、今に至っては勝手知ったるうちは邸、のようなナルトがいる。こいつに任せておけば何がしたいのか何をしに来たのかぐらいは簡単にわかるだろうとサスケはふむ。

「よぉーし!お酌しながらのんびりしようぜ」
「アンタお酒弱いんだから程々にしときなさいよ!」
「そもそもそんな言葉はナルトには似合わないね〜」
「なっ‥今はもうカカシ先生とも肩を並べられるくらいな凄腕の忍だって‥」
「あからさまに子ども扱いだって気づけ。ウスラトンカチ」
「だぁああ!!いい加減にサスケもそのウスラトンカチってのやめろよな!」

 聡いサスケはもう気づいているのだろう。だが文句どころか話の乗ってくるということは許容してしまったことに変わりは無くて、こんなにも自然な成り行きに睨み合ってたナルトとサスケが同時に笑い出したことによって皆一気に破顔する。既に開け放たれていた目的の縁側は春の陽気をふわふわと呼び込んでいて、ナルトは鼻がムズムズするのを感じながらも視界と鼻腔を占める梅花にふっとした笑みを浮かべると器もってくると意気込んで台所へと向かった。

「ホントはサスケ君の役目なのにね」
「楽できて丁度いいんだよ」



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