七班

□尊敬余って憎さ100倍『続』
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「ナルト様に帰ってきて頂かないとこのままでは里が潰れますっ!!」

 そう宣言した暗部の声はそりゃあもう必死で、あまつさえ少し涙声。

 執務室に連れてこられるのはいいが、そのままうわ言のように「なるとぉ…」を繰り返し、少し起き上がったと言えば某人物の暗殺計画やらなんやらを殺気立てて考えているばかりで少しも書類に目を通してくれない。むしろ最高潮までの殺気に誰も執務室に入ることが出来なくて書類は溜まるばかり。

 つまり、全く役に立たないどころか迷惑極まりないのだ。

「どうか、どうかお帰りになって下さいっ!」

 あの木の葉の暗部と謳われるあの暗部がこの体裁。いったい誰が予想できようか。
 ナルトの足に縋り付いてくる暗部の姿は他者から見たら滑稽極まりなく、むしろそれを通り越して異様な姿に見えるだろう。

 ナルトに引っ付くものがいようなら目上の者だろうが虫だろうが容赦なく睨み付けるサスケでさえ目を見開きその光景に度肝をぬかれているのだ。どれほどまで異端な光景だろうか。

「は…ぇ…」



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