七班

□尊敬余って憎さ100倍『続』
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「やーだ」
「っ…ナルト」

 ナルトの間延びした否定の言葉でふと我に返ったサスケが咎めるが、当の本人はさして気にした様子もみせずに暗部の前でひょうひょうとしている姿は流石あの火影の息子といえよう。

 弛緩していた身体の筋肉を奮い立たせ、ナルトの横へとしゃがみこめばツーンと唇を尖らせたままナルトはサスケに目を合わせようともしない。

「お前っ…」
「だって…っ!」

 漆黒の瞳を細めてナルトの肩を掴み自らの方へと強引に向かせれば、強い意志をもった深い蒼に射抜かれる。

「アイツ、うぜぇんだよ!!」

 誰を指すのかは言うまでもないだろう。実の父親をアイツ呼ばわりするナルトもナルトだが、それを思う前にその後の言葉の方に関心がいってしまい誰もそこには突っ込まない。
 サスケも、返す言葉が、無い。

「それでも、それでもっ…!」

 確かに煩わしい部分はあるかもしれませんっ。
 そう前置き―――それも少し柔らかな言葉に言い換えていた―――しながら握る手はふるふると震え俯いたお面はカタカタとゆれていた。そのあまりにも尋常ではない暗部の姿にさすがのナルトでも吃驚したのだろう、あの大きな瞳をさらに大きくしてサスケの服を握り締めてきた事態にはサスケも慌てた。

 そりゃ、好きな奴が縋り付いてきたら嬉しくも厭らしくもなるわけだ。

 でもまあそんな思考も次の瞬間まで。



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