七班
□尊敬余って憎さ100倍『続』
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「ナルト…」
じりじりと照りつける太陽の光が地面の水分を程よく蒸発させた昼過ぎ、チリリと少し高めの音を立てて静かにゆれる風鈴の音を聴きながら煎餅を貪っていたナルトの元に一人の少年が現れる。
ふらりふらりと背後から寄ってくる少年はナルトの一メートル手前ほどまでくると倒れこむように膝を突き、少しやつれたかな?と思わせられる憔悴した表情で漆黒の双眸をナルトに向けるのだ。
ぱりっ。薄い音が割れた。
「ナルト…」
「なに?」
もう一度同じ声で呼ばれた。
でも今回は返答してみる。視線は元に戻し、外の自然に向けたまま振り向く様子もなく、風に混ざって泳ぐ草花はなんて自由なんだろうとか考えてみて…‥、つまり、暇なんだな。そう一人納得して隣においてある煎餅をもう一枚口に運べばゴマの味がした。
「また、来た」
言葉に覇気が全く感じられないのは気のせいではないだろう。
だってあの切れ目のいつもは自信満々なスカシた顔付きが蒼白に染まっていたのだから、いくら鈍感といわれてるナルトにでも簡単に分かる。サスケも人の子、人並みに表情に感情がでると知った。
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