七班

□尊敬余って憎さ100倍
1ページ/7ページ

 夜闇に空が反面を覆われたころ。
 本日はちょいと真面目なDランク任務が終わったカカシ率いる第7班は、珍しくもカカシの奢ってやる宣言により一楽の前に立っていた。
 特にラーメンを奢るという訳ではなかったのだが、理由は言わずもがなナルトの独走というところ。他の班員も特に食べたいものなどないというのは建前の理由で、本心ではナルトが好きだから、ただそれだけだ。

「あー、食ったー!」

 背を逸らしながらぐーっと両手を天に伸ばすナルトの表情は満足顔だ。
 会計を済ましたカカシが苦笑いを浮かべてよく食べたな…なんて呟けば、ナルトの左右隣を陣取るサスケとサクラも妙に納得顔で頷く。

「でも、ラーメン5杯って…食べすぎよ」
「ははっ…まあ成長期だしね」

 サクラがげんなりと異常さを呟き、カカシがフォローを先ほどと同じな苦笑いで告げる。サスケに至ってはあまりのラーメンの多さに胃にでもきたのだろうか、青ざめた顔付きで懸命に自我を保とうとしているのが見て取れた。
 4人で並んで座れるカウンターはナルトを中心に左右必ずといっていいほどサスケとサクラが固める。サクラはともかくサスケは無自覚だろうということは誰が見ても明らか―――ナルトは問題外―――で、ナルトの行動にちょっかいをかけるサスケは好きな子ほど苛めちゃう、そんなところだろうか。残りの二人はそれを微笑ましく見ているのが今の第7班の関係。



.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ