彼女と工場地帯と俺。

□7月の仲違い
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-ねぇ、聞いた?あの"無機物女"、別れたらしいよ-




-知ってる知ってる!…あれは絶対続かないって思ってたし-




-俺だったらわかんねぇぜ?-




-あんたじゃムリムリー(笑)ってか、"人間"じゃ、無理だって!-




-あ、シーっ!彼氏…元彼来たよ!!-










大学に来ればあちこちで要と俺の話が飛び交う。




…専ら要が悪者扱いされている噂ばかりだ。



もう恋人でも何でも無いが、やはりそういう噂話は心地良いものではない。



しかも、今まで要を取り囲んでいた友達ですら悪口を言う始末。












「てめぇら、何コソコソ言ってんだよ!!」












突然怒号が教室を包む。







声の主は俺ではなく…まにょさんだった。





「"無機物女"だ?"人間じゃだめ"だ?何勝手に言ってんだっ!てめぇらだって好きな物の1つや2つあんだろうが!!!」






「要のこと、何にも知らねぇで言いたいこと言ってんじゃねぇよ!!」






辺りはシーンと静まり返る。









「…あんたも…あんただ…」





怒りの矛先は俺にも向け
られた。










「…要のこと…何にも知ろうとしなかったくせに…!」







その後まにょさんは教室を飛び出していってしまった。





その日1日、他の学生は勿論俺もすごく気まずい雰囲気だった。
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