彼女と工場地帯と俺。
□7月の仲違い
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7月に入り夏本番も間近になってきた。
東京は相変わらず雨が降っていて、今日もじめじめとしている。
そんな中俺達の恋は終わりを告げた。
『別れよう』
俺が最後に送った彼女へのメール。
あの食堂での出来事から要は大学に来なくなった。
だから直接会うこともなく、メールでの間接的な別れになってしまった。
勿論、電話することも考えた。
でもどうしてもそれはできなかった。
臆病で小心者の自分を恨んだが、公衆の面前で彼女を傷つけておいて、今更何をと思う。
嫌われるなら
トコトン嫌われよう。
それなら俺も
要への想いも吹っ切れる。
彼女からの返信は無かった。
最低の俺は自分勝手に要との仲を切ってしまった。