彼女と工場地帯と俺。
□一方的な女の子
1ページ/8ページ
いつもと同じ
いつもと変わらない
そんな日常が続く筈だった。
俺は年齢が違う周りと馴染めず、友達が少ない。
だから昼飯はいつも1人。
今日も1人で学食で飯を食う…筈だったんだけど。
「ここ、いいかな!?」
「え…?あ、あぁ…」
女の子が俺の前に座ってきたところで、いつもとは違う日常になった。
彼女は確か…
「あたし、要!君、おんなじクラスの銀琥クンだよね!?」
"要ちゃん"という、俺と同じクラスにいる子。
俺とは違って、いつも楽しそうに大学生活を送っている背の小さな女の子だ。
…だけど、なんでそんな子が俺なんかに話しかけたんだ?
学食は混んでない…むしろ空きすぎて、空いてる席なんて沢山あるだろうに。
「…そうだけど」
彼女はニコニコとしながら喋る。
「君いつも1人だから。寂しくないの?」
くっ…
こいつ、俺のこと見下してるのか?
「あたし、君と話してみたかったんだ!」
嫌な顔をしていた俺は、唖然としてしまった。