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□苦手なもの Ver.蓮×保
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「保〜!!」

ったく、いったいどこに行ったんだか…

「なんで俺がアイツを捜さなきゃなんねーんだよ。」

あんな無茶な誘い断れば良かった…


時は朝に遡る。
今日は休日。特にやることもなくぼんやりしてると、聞き慣れた着信音が響いた。

『もしもし、れんれん?』
「あ、そうだけど。」
『今、暇だよね!』
「まぁ、そうだよ。」
『デートしよう!すぐ行くから待ってて。』

蓮がツッコミを入れる間すら与えずに、電話は切れた。

「なんだったんだ…」

頭で今起こったことを整理しているとチャイムが鳴った。

「れんれーん!迎えにきたよ〜」

聞き慣れた声がして、玄関へ向かうと見慣れた人がいた。

「保の家って遠いよな…?」
「ん?そーでもない。」
「車で20分かかるって…」
「あまりに暇だったから、デートしようと思って来ちゃったwww」

保はそう言うとニッコリと笑った。


そんな事があって、保と一緒に近くの遊園地に来たわけだが…

「高校生が迷子とか…」

蓮は保とはぐれたのである。
2人で並んで歩いていたはずなのに…
お化け屋敷の前を通った瞬間、保が走ってどこかに行ってしまった。

「ケータイも出ないしッ…」

蓮は園内を歩き回って捜すが、どこにも彼の姿は見当たらない。

「あと、アイツが行きそうなところは……!?」

突然、曇っていた空から雷鳴が轟いた。
その後すぐに、雨が降り出した。

「雨…早く捜さないと!」

蓮が走っていると、人通りの途絶えた所に保のアクセサリーが落ちていた。

「まさか…この上に…」

いた。保は体育座りでうずくまっていた。

「お前、こんな所で何してたんだよ?探したんだz…」

またもや、雷が落ちた。
すると、保は驚いて蓮にしがみついた。
震える肩を撫でながら、蓮は思わず呟いた。

「かわいい…」

すると、保は顔をあげて言った。

「そんな事言うなッ…」

その瞬間、またもや雷が落ちて保はしがみついた。

「分かったから、とりあえず屋根のあるところに行くぞ。」

蓮は笑いながら保を連れて行った。


その後、2人は人がいないロッカールームにいた。

「お前さぁ、急に走り出したけど何かあったのか?」

蓮が聞くと、いつもとは違って、保は素直に話した。

「…棺桶墓場の前に…お化けが…」

顔を赤く染めながらそう呟く保をかわいいと思いながら、蓮は保を抱きしめた。
「この様子だと、雷も苦手なわけか。」
「否定はッ…できない…」

赤面しっぱなしの保を抱き締めながら、蓮は笑った。

「大丈夫だよ。俺がついてる。」

2人は抱き合いながら雨が止むのを待っていた。




後日。

「保君は苦手なものなさそうだよね〜。」
「それはどうかな(笑)」
「何?何か蓮知ってそう。吐け〜(コチョコチョ)」
「飛鳥、止めろwwwかゆい!」
「ところで、保君なんで休みなの〜」
「風邪引いたってさ(思い出し笑い)」
「やっぱり何か隠してる〜!!」

蓮と飛鳥の格闘(?)は続いた。

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