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□Happy Birthday to Tomoya!!
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「俺明日誕生日なんで、メール待ってます」
「メールでいいのか」
「いいですよ」
どうせ兄貴は言わなくてもくれるだろうし。
そんなことを考えながら、智哉は蓮に笑いかけた。


次の日、携帯を開くと目に飛び込んでくるたくさんの「おめでとう」。その中の一番言われたかった人の名前を見つけて顔が自然とほころんだ。
きっと今日会ったらプレゼントもくれるはず。そんな期待を込めて携帯を閉じた。


「閣下おめでとー。これプレゼント」
「ありがとうございます!」
部室に行くと飛鳥に手作りらしいお菓子が入った袋を渡された。
「おいしかったよ」
「…え?」
不自然な言葉に聞きかえすと、飛鳥は笑ってこたえた。
「作ったのは俺の母さん」
「…そうっすか」
誰が作っても嬉しいことには変わりない。

「閣下おめでとう」
「うっせぇ」
「扱いひどくない!?…はいプレゼント」
「ありがとー」
「…現金だなお前」
夏樹が苦笑する横で、期待のこもった目で奈央斗を見つめる。

スルーされた。
いやもしかしたら帰りに二人っきりになったときに渡してくれるのかも!
そう思い直し、下校時に期待することにした。


しかし。


二人で部室を出てもプレゼントをくれる様子はまったくない。



兄貴は俺の誕生日知ってるくせにもしかしてなにもくれない気か。別にくれないと嫌だとか我儘言うつもりはないけど兄貴からもらえるものはもらいたいし…。



口に出して催促するのもためらわれて溜めいきを吐いた。



「閣下どうしたの?溜めいきなんかついちゃって」

「ああ、まあ…」

お前のせいだとも言えず、曖昧に濁して答えた。



「…閣下はさ」

今までとは違う、少し重いトーンで奈央斗が口を開いた。

「俺からのプレゼントはいらないの?」

「欲しい!!誰からもらうより兄貴からもらいたい!兄貴のが欲しい!」

ちょうど考えていた内容でもあったため、ものすごいスピードで答えてしまった。

奈央斗の顔を見れば少し意地の悪い笑みを湛えていた。



「メールでいいって言ってなかった?」

「兄貴は別!」

「じゃあなんで欲しいって前々から言っといてくれなかったのさ」

「…兄貴なら言わなくてもくれると思って…」

「俺は閣下の口から聞きたいなー」

「…」



「じゃあ、もう一回、ちゃんと口に出して言ってみて?閣下のお願い叶えてあげられるかもしれないよ」

今度の奈央斗の笑みは優しかった。





「…兄貴、俺に兄貴からの誕生日プレゼント、くれないか…?」

「合格」



奈央斗からの言葉と一緒に、智哉の手が小さい箱と一緒に奈央斗の手の中に収まった。


Happy Birthday to Tomoya!!

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