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□BADENDのその後に...
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その部室に、いつもの平和な光景など見る影もなかった。

部室の中心にあるのは、抱き合うようにして血を流す夏樹と尚雪。
保はそれを、入り口のドアの前でへたりこんで呆然と見つめていた。

理解が出来ない。
だから、床のカーペットを赤が浸食していくのを見ていることしか―――

瞬間、保の頭上から冷水が降ってきた。

「落ち着きましたか、保先輩?」
「…閣下…」

そう、保の頭に冷水を浴びせたのは閣下こと智哉。
金属製の少し古いバケツを片手に、彼はいつも通りの笑みを浮かべていた。

「なんなら、死体の始末手伝いましょうか?」

――まるで、今まで全てを見ていたように。
智哉は、あっさりと言い放った。
そして、まだ呆然とする保に優しく告げたのだ。

「それが終わったら、俺が先輩を愛してあげますよ」



そして、二人で死体の始末を終わらせた。
夏樹と尚雪の二人は家出による行方不明と処理された。
保が撮った写真のおかげで、駆け落ちであるという噂がまことしやかに囁かれている。

――その噂を流した張本人たち、保と智哉は、今も関係を保っている。


「…ねぇ、保先輩」

一糸纏わぬ姿で隣に眠る保を見ながら、智哉は呟いた。

「あなたの心に、俺が満ちましたか?」


俺が突き放したら、今度こそコワレテしまうほどに。



BAD ENDのその後に。
存在するのは、BAD END

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