別書
□空の港と、海の駅。
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梅雨が明けたばかりの朝の空は
吸い込まれそうなほど綺麗で
電車が横切っていく緑は、夜遅くまで寝られなかった
僕の目にも鮮やかだった。
見慣れないような、見た事のあるような景色。
大阪の街並みは…似たような景色ばかりで。
あまり変わり映えがしないけれど、
今日は目に飛び込んでくるものが、特別な色に思える。
イヤホンを耳に突っ込んで、
最近海外で流行りの女性シンガーの声と
音の海に溺れながら、
空港までは一時間半。
それまでどんな話をしよう。