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□可愛い君にキスしたい 〜生徒会長ver
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だが、だんだん深山くんの顔はうつむく。



「 勉強は…出来るし、

  いろいろ教えて…いただいて

  優しいし…



 
  みんなに好かれてるしっ…」




みんなと言う言葉が

強調されたような気がする。


俺は少し肩を落とした。


深山くん。

違うんだよ。




「俺の好きは…


そんな好きじゃないんだ。」



俺は仲間として君が好きだとか、

そんな意味で言ったわけじゃない。


…清い気持ちで

いつも君を見ているわけでは無いんだ。





俺は深山くんに近寄る。





深山くんは俺の身体を遠慮がちに押し返すが、

その手を握りしめて

動きを止める。




「深山くん…」



俺の手の中でその温もりは

どんどん熱を持って汗ばんでいく。



ごめんね。



俺は深山くんに申し訳ない事をしてる。


いつも笑ってるその目が

潤んでいて

君のそんな目を見てしまったから




俺は…


自制心が効かなくなって


少しでも





君の事を手に入れたいと思ってしまってる。



「深山くん…?」


「………はぃ」



頼りない声が返事をする。



「…俺の事…嫌いになった…?」


今のはずるい質問だ。


「き…っ…、嫌いなんて…!!

  そんなことありません…!!」


ほら、

そう答えるって俺はわかってた。



「…じゃぁ、キスしよう。」




俺は握っていた手を離して、

深山くんのあごを軽く掴んで上を向かせる。



こうやって、

君を手に入れる事。


許してほしい。
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