Novel〜木星〜

□美奈子を救え!夜天の男気!
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スリーライツマンション、夜天が美奈子に電話をかけている。

夜『もしもし、美奈?』
美『あ、夜天くん…』

夜『あのね急で悪いんだけど、明日から一週間ロケなんだ。星野や大気は違うんだけど。僕だけやんなっちゃう。まあ空き時間に電話かメールするから、ほんとにごめんね。』

美『……』

夜『美奈…?』

美『ううん、なんでもない。じゃあお仕事頑張ってね。おやすみ…』

夜『…??おやすみ…』

夜天くんはアイドル。
お仕事忙しいのはしかたないもんね。
あたしも明日は服でも買いにいこうかな。

翌日。

美奈子は街に出て、服を探していた。

美『このワンピースかわいいなぁ』

何着かを試着し、淡いブルーのワンピースを購入した。

美『さて…お天気悪くなってきたし早く帰ろう』

スタスタと歩いていると、うしろから声を掛けられた。

『ねぇお姉さん?
なにしてんのー』

美『え?』

ふりかえると、茶髪のサラサラした肩くらいまでの髪で、スッキリした服装をしたかなりかっこいい若い男。

美『私になにか…』

男『お姉さん一人なの?
俺と遊ばない?』

美『え…いや今忙しいんで』

男『用事があるなら後でいーじゃん!俺と遊ぼうよ!』

美『ほんと忙しいんで…失礼します』

逃げる美奈子。

ーあの人最近見掛ける人だわ。…いつも何してんのかしら…ー



〇夜〇

夜『もしもし美奈?』

美『あ、夜天くん…』

夜『遅くなってごめんね。今ちょうどロケ終わったんだ。それより美奈は今日何かなかった?大丈夫?』

美『大丈夫よ!夜天くんもお仕事頑張ってね!』
夜『よかった。じゃあおやすみ。』

〇次の日〇

美『いってきま〜す』

アル『いってらっしゃーい!』

スタスタ
美『??』

美奈子のうしろから昨日の男がついてきている。
男『名前、美奈子ちゃんっていうんだね。』

美奈子無視して通り過ぎる。

男ずっと美奈子をみている…



美『(やっぱ誰かに相談したほうが良いかしら…)』

足早に大学まで向かい、授業を受ける。

授業中も、あの男のことが頭から離れない。

美『(なんなのあの人は…)』

放課後。

うさぎたちとクラウンでお茶をしているうちに時間を忘れてしまい、外は暗くなっていた。

う『そろそろ帰ろうか』

美『そーねー。
また明日ー』

スタスタ歩く美奈子。

そのときだった。

男『美奈子ちゃん』

美『きゃっ!』

驚いて走り去ろうとする美奈子。

男『待ってよ美奈子ちゃん』

美奈子は無視して走る。

しかし追って来た男に腕をつかまれた。

美『ちょっとやだ!
離してよ』

男『嫌。
俺さ、前から気になってたんだ、美奈子ちゃんのこと。
前はよく髪の長い男といたよね?』

美『なに…気持ち悪い…
いいから離して』

男『でもさ、最近あの男といないし、ずっと一人でしょ?
ほっとかれて、寂しい思いしてるのかなって。
俺が相手するよ?』

美『余計なお世話よ!
あたし急いでるから』

腕を振り払うと、歩き始めた美奈子。

突然腕をひかれ、後ろに引き寄せられる。

と、同時に顔が近付き、キスをされる。

美『(いや…夜天くんっ)』
星野と大気が近くをとおり掛かる。
星『あれ?あれ愛野だよな?』

大『そうですね。でもなんか様子がおかしいような…』

星大『げっ!』

星『あいつ今キスしてたぜ。浮気しなそうなのにな』

大『星野、まだ浮気かどうかなんて分からないんだから夜天が帰って来てすぐご報告なんてやめて下さいよ。』

星『わーってるって!いいやしねーよ!』



男『じゃあね美奈子ちゃん。明日会えるといいね。』

美『(夜天くんっ助けてっ)』


〇真夜中〇

『美奈へ
遅くなっちゃったから メールにしちゃったよ ごめんね…じゃあおや すみ』
美『夜天くん…』
美奈子泣きながらベッドに入る。

翌朝

どうしても学校に行く気にならず、その日は家にこもっていた。

家事だけはしなくちゃ、と洗濯を干し、掃除機をかける。

食欲もなかったので、何も食べずにベットで転がっていた。

プルルルル

美『もしもし』

夜『美奈?』

美『夜天くん!
こんな早い時間にどうしたの?』

夜『今お昼休憩。
美奈学校は?』

美『実はさぼっちゃって…』

夜『だめじゃん。
僕がいなくて寂しいかもしれないけど、もうちょっと我慢してね。
帰ったら一番に会いにいくから』

美『うん…』

罪悪感と不安で、涙が出てきてしまう。

美『グスッ』

夜『美奈?どうしたの?』

美『なんでもないの。
じゃあ夜天くん、またね』

夜『美奈…』

夜天がなにか言っていたが電話を切り、布団に突っ伏して、泣き続けた。

どれくらい時間がたっただろう。

暗くなったので、洗濯をとりこもうとベランダに出た瞬間。

パシャッ

美『!?』

何かと思い外を見渡すが、特になにも見当たらない。

美『なんだろ…』

洗濯をしまい、ベランダの戸を閉める。

美『嘘…下着がない…』

干してあった洗濯の下着だけなくなっているのだ。

美『風で飛ぶわけないし…
まさか…
じゃあさっきの音は…まさか写真?』

あまりの恐怖に震えあがる美奈子。

〇夕方〇
あれから結局すぐに部屋に戻っちゃったんだけど…
またなんかしてきたらどうしよう…恐いよ。…

そんなまま何日か過ぎたが、無言電話がかかってきたりインターホンを何回も押されたしてとても外出できる気分じゃなかった。

そしていよいよ夜天が帰ってくる日になった。

その日も朝からインターホンが鳴ったが、誰だかも確認しないままベットに入ってしまった。

十番大学…
夜『おはよー』

う『久しぶりー!』

レ『元気してた?』

夜『うん。あれ?美奈は?今日インターホン押したけど出なかったし。』
う『美奈子ちゃんここんとこずっと休んでいるんだよね。心配だな。』

夜『え、だって美奈はそんなこと一言も…』

星『あっ夜天に言えない事と考えると、やっぱこの前の茶髪男と…』

大『星野!!』

星『あ、やべぇ…』

夜『どういう事?』

星『えっと…先日愛野さんが茶髪男とキスしてるのをみてしまいまして…』

夜『ふーん。それで美奈はそいつと今ごろ遊んでるわけね。』

星『あ、でもそうとはかぎらない』

夜『僕だるいから帰る。』
夜天去る。


〇その頃美奈子宅〇

『(今日夜天くん大学来るわよね。)』

『恐いけど行ってみようかな。…』


スタスタ

男『美奈子ちゃん!』

美『(や、やだ)』

男、美奈子の手をひっぱる。

男『俺の家すぐそこだから。いこうよ!』

美『離してっ』

スタスタ

夜天歩道橋の上から美奈子を見つける。

夜『(美奈?)』

夜『あの男ってさっき星野が言ってた…』

美『離してってば!』

夜『(なんか嫌がってるように見える…?)』


美『グスッやてんくん助けてっ』

夜天歩道橋の上から降りていって美奈子のそばまで走る。

夜『美奈!』

美『夜天くん…!』

男『あ、お前は』

夜天は美奈子の近くにかけよると、男の腕から美奈子を引き離した。

夜『彼女になにしたんだよ!』

夜天の剣幕に驚いた男は、しどろもどろになりながらその場を去ろうとする。

夜『待てよ!』

夜天は男の腕をつかみ、ひっぱると、胸ぐらをつかんで、にらみつける。

男『ごめん!
悪かったよ…
ただ、彼女が可愛いから、仲良くなりたいなって思っただけで…』

夜『それで嫌がってるのに無理やり連れ去ろうとしたわけ?
意味分からないんだけど。
君みたいな愛のない男に、彼女を触らせるわけにいかない』

男『…』

夜『ほんとは、君のことぶん殴ってやりたいけどやめとくよ。
彼女を困らせたくないからね。
だから二度と彼女に近付かないで。
今度なにかしたら本気で怒るから。


男『すみません…』

夜『彼女は僕のだから。
覚えといて』

そう言うと夜天は、ぱっと手を離した。

男は咳き込みながら、逃げて行く。

美『夜天くん…夜天くんがあんな怒るなんて、…』

夜『当たり前でしょ、大事な彼女の危機だったんだから。それより大丈夫だった?』

美『うん、でも実は前からちょくちょくあったんだけど…』

夜『ちょくちょく…って?』

美『なんか…キスされたり、写真撮られたりとか…』

夜『…そういう時は僕に相談してよ。』

美『うん。でもロケ中だったし、夜天くんに心配かけるだけだと思ったから…』

夜『“だけ”って?』

美『え…』

夜『守る事くらいできるでしょ。』

美『夜天くん…』

夜『さっ美奈。今日はもう家に帰って会えなかった分お喋りしようよ。』
美『うん!』

美『夜天くん、ありがとう』

夜天は美奈にキスすると手をつないで夜天の家へ向かいましたとさ。

えんど

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