Novel〜月〜

□7.夜天の決意!僕を信じて
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ある日のスリーライツマンション。

大『これ、どうしましょうね』

机の上にあるのは、沖縄与那国島宿泊ペア券。
クイズ番組の商品としてスリーライツのメンバーが当てたものだった。


星『大気は、水野誘っていけばいいじゃねーか。
夜天が愛野を誘って、俺はおだんごを誘うからさ』

夜『ちょっと待ってよ、なんで僕が愛野を…』

星『照れんなよ!
せっかく当たったんだし、使おうぜ』

大『でも、もしマスコミに見つかったら…』

星『そんときはそんときだよ!
大丈夫だって!次の休みに行こうぜ!』

大『そうですね…たまには旅行もいいですね』

夜『せっかくだからみんなで行こうよ。
あいつらも喜ぶでしょ』

星『そうだな!明日さっそく言ってみるか』


翌日。

う・亜・美『沖縄旅行ー!?』

星『そう!番組で当たったんだ!
おだんご、一緒に行こうぜ!』

う『沖縄旅行かぁ…いいわね』

星『だろ!決まりな!』

亜『沖縄旅行…』

大『楽しみですね、亜美さん』

美『あー楽しみ!
海よ海!水着なに着てこうかなー』

夜『ほんとに嬉しそうだね…
こんなに喜んでくれると誘ったかいがあるよ』

美『あたりまえじゃない!
夜天くんが誘ってくれただけで、どんな場所だって天国よ!』

夜『はいはい』


放課後。


雄『沖縄旅行…いいですね』

レ『お土産頼むなら今のうちよ!
今週末に行くって言ってたから』

雄『レイさん…
僕、連れてってあげられなくてごめんなさい。
いつか、絶対連れていきますから』

レ『何言ってるの!
あたしは雄一郎といられるだけで幸せなんだから!
さっ、帰ろう』

雄『レイさん…』





沖縄旅行当日。

う『海だー!』

美『泳ぐぞー!』

その日は日が暮れるまで、みんなで海で遊んだ。



夜はみんなでバーベキュー

う『ちょっと美奈子ちゃん!
あたしのお肉とらないでよ!』

美『うさぎちゃん!
人生は早い者勝ちなのよ!
ほら、うさぎちゃんにはピーマンあげるから』

う『いらないわよ!あたしのお肉ー!』

星『ほら、俺の肉やるから』

う『わーい!
こういうときの星野って大好き!』

星『調子いいな…』

その後、みんなで花火をすることになった。


う『きゃー!みてみて!すごーい!』

美『夜天くんみて!二刀流ー!』

そう言いながら両手に花火を持って振り回す美奈子。

夜『はいはい、綺麗だね…
危ないから気をつけて』

亜『大気さんの花火きれいですね』

大『亜美さんのも』

美『ねぇねぇ、最後にみんなで線香花火しようよ!』

パチパチパチ

う『あー落ちちゃった!』

星『あー俺も』

美『あーあたしもだわ』

パチパチパチ

う『がんばって、亜美ちゃん』

大『あっ…』

パチパチパチ

美『夜天くん、がんばれっ』

亜『あっ』

パチパチパチ

美『夜天くんすごーい!』

夜『集中力の問題だよ』

美『なによその言い方ー!』




そしてあっという間に帰る前日になった。

大『せっかくですから、このあたりを散歩しましょうか』

星『だな!じゃあ、晩飯くらいにまた!』

そしてそれぞれ別れて行動することに。


星『やっぱり海きれいだなー!』

う『ほんとだね。
あたし、ここにこれてよかった。
星野、ありがとね』

星『おう!
…なぁ、おだんご。
しつこいようだけど、俺には本当にお前だけだから。
こんないい男が待ってるなんてお前だけだから感謝しろよ』

う『星野…』



大『明日は帰るなんて、ちょっと寂しいですね』

亜『ほんとに…いつかまた来ましょうね。』

大『はい。また来ましょう。
こんなにきれいな景色を初めて一緒に見たのが亜美さんでよかったです。』

亜『大気さん…』



夜『この島はね、日本で最後の夕焼けが見れるんだって。
今日最後の夕日を、君と見たかった。
ね、きれいでしょ』

美『ほんとに…きれい。
ありがとう。夜天くん』

夜『君に一つ、質問をしていい?』

美『なに?なんでも聞いて!』

夜『君の…話を聞かせて。
君がこれまでにしてきた恋の話を。
君と僕の距離が、近付きそうになっても、君は心のどこかで僕を拒絶してるでしょ?
なにか理由があるの?』

美『…たの』

夜『ん?』

美『あたしは、今まで好きになった人をこの手で殺してきたの。
あたしの好きになった人はみんな、あたしの敵だったから…
あたしは、好きな人の命より、戦士としての使命を優先してきたの。
だから…いつか、夜天くんもいなくなっちゃうんじゃないかって…怖くて…』


その瞬間、夜天は美奈子をだきしめた。

夜『ねぇ聞いて。
前に言ってた新曲あるでしょ。
あれ、完成したんだ。
好きな人に送る曲ってテーマで作った曲だから、好きな子に聞いてほしかった。
最高のシチュエーションで聞かせるつもりだったから、僕だけしめきりすぎちゃったんだ。』

美『夜天くん…』



君の目に映る青空が
悲しみの雨に滲んでも
そんな時は思い出して
笑い合えた今日の日を
肩を落とす君を見る度に
連れ出すのは僕の方なのに
時々わからなくなるよ
僕が救われてるんだ
その掌は虹も掴めるさ
キミだけの歌を
ラララ探しに行こう
誰といても一人ぼっち
唇噛み締める時には
またここにきて同じ空を
何も言わずに見上げよう
涙も傷も宝物になる
キミだけに歌を
ラララ歌って行こう
ねぇ いつかキミは君の夢を忘れてしまうのかな
その時は瞳逸らさずにキミと向き合えるのかな
ねぇ こんな僕はキミの為に何ができるのかな
言葉にならない思いだけ強く手を握ろう



夜『いつも明るいけど、どこか悲しそうな君のために、僕はこの歌を歌うことにしたんだ。
愛野、僕は敵にはならないよ。
だから、信じて。
僕を信じて。
僕と付き合って』

美『あたしで…いいの?』

夜『うん。君がいい。
ずっと僕と一緒にいてよ』

美『夜天くん…』



夜『美奈、見て。
夕焼けきれいだね』


そう言って夜天は、美奈子の髪をなでた。

夜『美奈といれて、よかった』

これまであたしは、どれだけ悲しい恋をしてきたのだろう

でも…それも全部、夜天くんに会うためだったんだね。

夜天くん、あたし、信じるよ。

二人で幸せになろうね。

おわり♪

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