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□あの空と君と
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今日の空は赤い


もう昼間だっていうのに窓から見える空は太陽に覆われたように真っ赤だ。いつか俺がみた真っ赤な―――敵わなかった相手…………


ガンガンなる頭を抑えて呟けば隣の半田は怪訝な顔で雨降ってるぞと答えた。


雨の音なんて聞こえない。だって今凄く暑いし熱い。息をするのも苦しいくらい。吸っても吸っても酸素が肺に入ってこない。


円堂………

不意に頭にあのサッカーバカの幼なじみが浮かんだ。


今何してるのかな。サッカー……………してるかな。もう俺のことなんて忘れちゃったかな。新しい仲間と一緒にどんどん遠くに――――――




優しい手が俺の頬に触れた。いつの間にか流れてた涙を拭ってくれたようだ。


「泣くんじゃねえよ。」

ぶっきらぼうにでも優しく包み込むように。











キャラバンを降りて家に帰ることもできずフラり病院にやってきた俺を何言うことなく迎え入れてくれた彼ら。


"弱かったんだ"

"逃げたんだ"


そればかり繰り返し泣き続ける俺

苦しかった。自分の力じゃ勝てないって分かったときも。どんなに練習を、特訓を重ねても仲間はどんどん前へ進んでしまうことが。

怖かった。置いてかれるのが。楽しかったサッカーが辛いものに変わっていくことが。
今まで一緒にいた仲間が消えて新しい仲間が増えていくことが。もう自分も要らなくなるんじゃないかって。




オレンジの太陽みたいなアイツの為に、力になれるように、尽くし続けて。


アイツも俺を必要だと、そう思ってくれると勝手に信じて。


アイツは絶対要らないなんて言わない。どんなに足を引っ張ってもそれでもきっと傍に居させてくれる。きっと背中を押してくれる。そんな奴だ。分かってた。


だからその優しさに溺れて。安心して。それが当たり前だと思ってた。




だけど、もう、違う。


俺はそうすることも――――――足を引っ張ることもできなくなった。


それが一番恐ろしかった。嫌だった。



どうしたら、アイツが俺を思ってくれるか、そればっかり考えてたことに今さら気付いて。


結局、逃げた。

アイツから。自分から。仲間から。





サッカーって何だっけ。どうして俺はこんなに苦しいんだっけ。


1日1日が長かった。明るい空が眩しくて恐ろしくてカーテンを閉めて閉じこもった。


ごめんな、俺もう駄目だ。しんどいよ、助けてよ、 。









「君が風丸くんですね???」


その日はどしゃ降りの雨だった。どんよりした空は俺の心を少し軽くした。


「強くなりたくはありませんか???」


一方的に話しかけられ億劫に思った刹那、


「えっ………」



「強く……………」


「ほら、これを掛けたら力がみなぎるでしょ。」



この力、使ってみようとは思いません???




あなたの力が




必要なんですよ。














□■□■□■□■□■□

当時の風丸のことを考えると辛すぎて……


大丈夫、だよ。みんながいるよ。君は大事な仲間だよ。





二期、大好きです。

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