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□押してダメなら?
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「グリーンさぁぁぁぁん!」


あー・・・また来たのかよ


「今日こそポケモンバトルして下さい!」


大声で叫びながらこっちに向かって来る奴
名前はコトネ

最近、毎日毎日バトルをしろと言って押しかけて来る


「・・・ハァ」


正直めんどくせぇ


「さぁ、バトルしましょう!準備万端です!」

「悪ぃ、無理だ」

「え!?今日もダメなんですか!?」

「おう。今日も先約が入ってんだ」

「そうですか・・・わかりました。出直します」

「おー」


トボトボと去って行くコトネ


何を隠そう先約なんていない

あいつが強いって事は、1度戦った事もあり、勿論知ってはいるし、それなりに楽しめるバトルだった

でも、今の俺は全くバトルをする気になんてなれない

あいつには悪いけど・・・


「さてと、明日は何て言い訳するかな・・・」


もういい加減諦めればいいものを・・・



◇◆◇◆



次の日、あいつがジムに来る事は無かった


「何かあったのか・・・?」


2週間程毎日通い詰めていたあいつが、今日は来ない


「事件に巻き込まれたとか?・・・それはないか。そうなってもあいつなら自分でなんとかしちまうだろうし」


あいつに限って・・・


「って、何考えてんだ俺。静かで良いじゃねぇか」


でも、何故か物足りなさを感じている自分がいた

「・・・調子狂うぜ」


次の日も、その次の日も、あいつは来なかった



「いい加減心配になって来た・・・」


もう来るのを諦めたんじゃないか
 その考えとは裏腹に、あいつの事ばかり考えている


「こうなったら探しに・・・」

「グリーンさーん!!」


とうとう探しに行ってしまおうかと思った時
聞き覚えのある声が、俺の名前を呼ぶ


「コトネ・・・?」

「お久しぶりですグリーンさん!」

「お前・・・何やってたんだよ」

「何って、洞窟に篭って修行に励んでました!」


「・・・ハァ」


心配した俺がバカだった


「あ、もしかして私が来なくて心配とかしちゃいました?」

「・・・」

「あ、図星?」

「う、うるせぇよ!バトルするぞバトル!」

「え・・・やったぁ!!」

「(あーもう何でこんなやつに・・・)」



結局あいつのペースになっちまった





押してダメなら?
(修行しろ!)




【END】

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