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□その時恋が始まった
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「あー!!遅刻しちゃう!今日に限って目覚ましセットし忘れるなんて〜!」

「よぅコトネ」

「グリーンさん!」

「お前も遅刻しそうなのか?」

「だから今必死に走ってるんですよ!
ていうか、グリーンさんチャリなら乗せて下さいよ!!」

「ワリィ、先約あるから!じゃあ頑張れよ!」

「あ、ちょっと!!グリーンさぁぁぁん!」


グリーンさんの背中はあっという間に小さくなって行った
ひっどい!!



「あ〜…この時間ならもう校門閉まっちゃってるよね…。裏門から行けるかな」



◆◇◆◇



「よい…しょっと!」


裏門からなんとか侵入成功!


「これなら間に合いそう…良かった!
…あれ?」


すぐ近くの木に寄り掛かっている人影があった


「誰だろう…見覚えないっぽいし…上級生かな?
というか何してるんだろう…」


とりあえず近くに行ってみる事にした


「…寝てる」


その人はスヤスヤと寝ていた


「あの〜…」

「ん…」

「予鈴鳴っちゃいますよー?」


私は意を決して声をかけてみた


「おーい…」

「…、君は」

「あ、えっと…予鈴が鳴っちゃいそうだったので」

「そっか…わざわざありがとう。また寝過ごして怒られる所だった」

「いえ…」


その人は立ち上がり、こちらを見て言った


「俺は3年のレッド」

「え、あ…私は」

「君も早く教室に行った方が良いよ、コトネちゃん」

「え…何で名前…」




何故私の名前を知っているのか

それを聞こうと声をかけるがレッドさんはあっという間に行ってしまった


「……レッド、さん」





私の脳裏に焼き付いたのは
サラサラな黒髪と、燃えるような赤い瞳のその人の

綺麗な笑顔だった






その時恋が始まった
(キーンコーン)
(あ!!予鈴が!!)







【END】






続きます

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