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□愛しい憎い愛しい
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愛しい…


「マツバさん!」


屈託の無い純粋な笑顔を浮かべて僕の名を呼ぶキミが愛おしい



「ホウオウは今日も元気ですよ!」


僕の憧れを簡単に奪ったキミが憎い



「コトネちゃん…」


あぁ…このままじゃ
 キミヲコワシテシマウ


「…こんにちは」

「こんにちは!今日はジム戦あるんですか?」

「いや、今日は今の所は無いよ」

「ホントですか!?じゃあ一緒にどこか出掛けませんか?」


コワシタイ

コワシタイ


「………」

「どうかしましたか?」

「もう…僕に会いに来ない方が良い」

「…え?」


これは警告だ

キミの為、そして僕の為の


「どうして?どうしてそんな事を言うんですか…!?」


ドウシテ?

あぁ…そうか

キミは僕のこの、醜い心を知らないから


「私はっ…マツバさんが好きなんです!」

「…コトネちゃん」


目の前のこの少女は僕の事を「好き」と言った
こんな僕を…好き?


「…これは君の為なんだ」

「私の為って…。私はマツバさんと一緒にいたいんです!
側に…側にいさせて下さい…」

「僕と一緒にいたらどうなるかわからないよ?それでも…?」

「それでも…貴方の側にいたいです」

「だったら…」


コワシテモ…イイヨネ?




これは悪魔の囁きか

はたまた自分の内に秘めたモノなのか




愛しい憎い愛しい
(全部僕のモノ)




【END】





マツバさんはこんな話ばっかり思い付く

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