Peaceful Life
□僕の原動力、ただ君だけ
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「○○、少しいいか」
「はいっペンギン先輩!」
ペンギンに呼ばれ
「●●〜!こっち手伝ってくれ!」
「はーい」
二年の部員に呼ばれ
「●●、頑張ってんな〜」
「そっちこそ、練習頑張ってよね!」
同級生に声をかけられ
「………」
「ロー。ひどい顔になってるぞ」
さっきから引っ張りだこ状態になっている○○の慌ただしい動きを見てかわいいと思いながらも、他の野郎に呼ばれまくっている様はどうにも面白くなかった
そんな俺はコートから離れた木陰で腰掛けていた
「どいつもこいつも○○を呼びすぎだ。俺でさえ我慢してるのに」
「各々、用があってのことだ。それだけ○○の存在は部に良い影響を与えてるんじゃないか」
「どうだか。○○がかわいいから呼んでんだろ」
「そんなくだらないことを考えているのはお前だけだ」
さっさと練習再開しろよ、と言い残し、ペンギンは溜め息をつきながらコートに戻っていった
そんなペンギンの背中を見送り、俺は仰向けに地面に転がった
一丁前に妬いてるのか、俺は
彼氏でもなんでもないのに
そう思うとひどく惨めになり、いつの間にかボソッと呟いていた彼女の名
「○○―…」
「何ですか?」
「え」
返ってくるはずがない返事
しかし彼女はいつからかそこにいて
「○○…いつからそこに……」
「たった今ですよ。ペンギン先輩にロー先輩がエネルギー不足みたいだから何か持っていってやれって言われて…」
「くく…そうか。悪かったな○○。すぐ練習に戻る」
「え?ポ●リ作ってきたんですけど……」
「今はいらねェ。それよりいいモン貰ったんでな」
「えーっ!?」
僕の原動力、ただ君だけ
「ペンギン先輩〜」
「○○、さっきは助かったよ。ありがとうな」
「でもポ●リいらないって言われちゃいました。もっといいもの貰ったって言ってたんですけど…」
「そうかそうか」
「???」
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