企画もの

□溶け出した熱に酔う
1ページ/2ページ








「かぽーん」


「効果音を自分で言っちまうか」


「だって温泉だよ混浴だよ!」


「わかってらァ」





只今、私は阿伏兎と温泉でまったりしています


混浴に来てみれば誰もいない貸切状態
もちろん私のテンションは上がりに上がり…




「お前さん、タオルはどうした」


「え?持ってるけど」


「巻かなくていいのか」


「だって阿伏兎しかいないし」


「あ、そう…」





阿伏兎とお風呂



最初は少し恥ずかしかったけど、気分が高揚してきた私はタオルが邪魔くさくなり外してしまった


一緒に入るのは別に初めてじゃないし





「名無しさん」


「なに?わぁっ、すごい!」





阿伏兎が持っていたのはお酒




「少しくらいならいいだろ」


「うんうん!飲もう!」





もともと酒に強くない私はちびちび徳利一杯を飲んでいたが、

流石、阿伏兎はグイグイいく




「そんなに飲んで大丈夫?」


「お前さんと一緒にするんじゃねェよ」


「失礼な!」





ちょっと腹が立ったから対抗してやろうかと思ったけど、せっかく温泉に来たのに酔い潰れて終了。なんて事態は避けたかったため、そこは受け流した




「はぁ〜、ぽかぽかしてて眠たくなってきちゃうくらいだね」


「寝るなよ。後が面倒なんだからよ」


「寝ないよ。この後は牛乳飲んで卓球なんだからね!」


「定番だな」





くくっと笑って小馬鹿にしてくる阿伏兎だけど、今日はいやに色気があるような


温泉だからかな

多少(?)のお酒も入ってるし、上半身裸だし





「なんだよ」


「ううんっ。なんでもない」





私は早々にお酒タイムを終わらせ、湯船をすいすい泳いでみた



う〜ん、いい気分




「阿伏兎〜気持ちいいよこれ〜」


「んー、そうか」


「あんまり飲みすぎないでよ」


「だーいじょうぶ」


「…酔ってる」


「酔ってねェよ。まだ」


「酔ってるじゃん!」





ふざけてチョップをかまそうかと思って振り上げた右腕を、不意に阿伏兎に掴まれた





「………」


「な、なに?」


「名無しさん…」










嫌な予感






.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ