企画もの
□指先パズル
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「私と阿伏兎って全然タイプが違うよね」
「ん？あァ」
「阿伏兎は優しい強い社交的。私は厳しい強い愛想悪い。うーん」
「お前さん、嫌なヤツだな」
「私たち、なんで付き合ってるんだろうね」
「…お互いに惚れたからだろ」
「だから、なんでお互いに惚れたんだろうね、ってこと」
「俺は…本当にいつの間にか好きになってたってかんじだな。なんでとかわかんねェ」
「そうかな」
「本能か何かじゃねェか？コイツだ!みたいな」
「え〜ロマンチックじゃない〜」
「ロマンチックぅ？」
「一目惚れとか無いの」
「無い(可愛いとは思っていたが)」
「私は阿伏兎に一目惚れ(気味)だったんだけどな〜」
「えっ!?」
「初めて会ったときから意識してたのかも」
「お前さん、可愛いヤツだな」
「やめてよっ」
「イテッ」
「でも、さすがに最初から好きだったわけじゃないよ。性格的に合わないな〜って思ったし」
「それはあったな」
「そういうのも意識するきっかけになったのかもね」
「そうだなァ」
「…恋ってパズルみたいだね」
「は？」
「最初はぐちゃぐちゃ。完成像なんて全くわからない。でも全てのピースが上手くはまれば、最初からは想像できないような絵ができる」
「俺たちは性格も考えてることも最初は全部違ったのに、今では最も気の許し合える仲になっている、ってわけか」
「うん」
「不思議だよなァ。こんな広い宇宙の中で、愛せるのはたった一人なんだ」
「阿伏兎にしては可愛いこと言うね」
「ほっとけ」
「ね、恋人同士になってるってことは、私たちのパズルは完成してるのかな」
「まだだろ」
「………」
「まだまだ、名無しさんの知らないところがいっぱいある気がしてならねェ」
「私も、阿伏兎の知らないところがいっぱいあるのかな」
「超能力でも使えりゃ、パズルはあっという間に完成するだろうがな」
「でもつまんないよね」
「違いねェ」
「わからないところがあるから、そこがまたいいんだよね」
「そういうこと。名無しさんに心の中読まれちゃ、俺はいつお前さんを襲えばいいんだって話だ」
「バカじゃないの」
指先パズル
優しく微笑むあなたを見て思う
私たちのパズルはまだ未完成だけど
あなたへの愛のパズルのピースは全部綺麗に埋まってる
たくさんの"好き"、"嫌い"っていうピースが集まって、良いところも嫌なところも、全部全部愛してます
心の指先で 埋めてきた あなたへの愛
あなたも 私に 愛のパズルを くれますか？
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title→Chien11
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